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楽団員紹介

インタビュー 渡戸由布子(コントラバス副首席奏者)

2022-05-30
― 大阪交響楽団に入ったのはいつになりますか?
 2004年です。永嶺さんたちが入ってくる半年ほど前でした。大山平一郎さんがミュージックアドバイザー・首席指揮者、寺岡清高さんが正指揮者となった年です。それまではフリーで10年ほど東京で演奏活動をしていました。名古屋から北のオーケストラには、エキストラで伺っていたんですが、関西にはご縁がありませんでした。まだまだプロのオーケストラに女性のコントラバス奏者が少なかった時代でしたが、関西に来てみるとたくさんいらっしゃって、とてもうれしかったのを覚えています。
― コントラバスを始めたきっかけは何だったのですか?
 20歳の時に大学のサークル活動でした。弦楽合奏団に入って始めたんです。一般大学の国際関係論専攻に進んで、4年生の時に就職先は決まっていたのですが、親に内緒で東京藝大の先生にコントラバスを習い始めて、藝大受験をすることにしたんです。4歳からピアノをやっていて、音楽高校に行こうと思った時期はあったのですが、高校も普通高校です。
― では、一般大学を卒業する年に共通テストを受けて東京藝大に入られたんですね。
 年取って入ったので(笑)、音楽業界の先輩方が本当によくしてくださって、藝大3年の時からエキストラに呼んでくださったり、レッスンしてくださったりしました。同級生は4歳違いになるわけですが、すぐに打ち解けることができて楽しかったです。仕事がたくさんあった時代でしたので、必死にそれをこなしていくという毎日でした。こちらに入団が決まった時に、東京のエキストラに行っていたオーケストラのスタッフの方から、『オーケストラの105人』という絵本を贈っていただきました。とても感動して、ずっと大切にしています。今も演奏者ともども、スタッフのお一人お一人を大切に思う気持が強いです。
― こちらに来られて、どんな印象でしたか?
 一人一人の個性と顔がしっかり見えて、楽しいオーケストラだなぁと思いました。みなさんよくしゃべるので色々な話ができました。一つの大きな船に乗るファミリーですので、人生を共にしてさまざまな経験をしてきました。
― オーケストラの中で、コントラバスってどんな役割ですか?
 料理で言うと出汁のような存在だと思っていて、今日はカツオ、今日はコンブ多めとか、コントラバスの音色で特徴も変わると思うので、それで色々なパートがうまく動いて、全体のサウンドが出来あがればうれしいなと思っています。
― 印象に残っている本番はありますか?
 変わった曲をいっぱいやってきましたね(笑)。児玉宏さん(第4代音楽監督・首席指揮者)とやったニーノ・ロータ(交響曲 第4番「愛のカンツォーネに由来する交響曲」、第154回定期演奏会 ・2011年3月17日 )とか、寺岡さんとのハンス・ロット(交響曲第1番ほか、第176回定期演奏会 ・2013年5月17日 )とか、面白かったです。
― これからどんなコントラバス奏者を目指していきたいですか?
 年を追うごとに、楽譜を読むことだったり、その背景にしても、わかっていなかったことに気が付くことが増えてきました。音を出す前にやることがいっぱいあります。お客さまが世界旅行やタイムスリップをしているように感じていただけるような深みのある響きを、オーケストラの一員としてお届けできればと思っています。

公益社団法人大阪交響楽団
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