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2017シーズンメッセージ

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2017シーズンメッセージ

2016-10-27
 はやいもので大阪交響楽団の指揮者陣に加わって、14年目を迎えます。就任以来一貫してベートーヴェン以降のウィーンに縁のあるロマン派音楽を採り上げて参りましたが、世界中見渡しても、ここまで長期に亘って体系的にこの分野の音楽をプログラミングしている楽団と指揮者はいないと思います。というわけで、まだまだ尖った選曲でひとり?気を吐いて参ります!
3年シリーズ「ウィーン世紀末のルーツ〜フックスとブラームスから始まる系譜」2年目は、大阪交響楽団の聴衆には「お馴染み」ハンス・ロットの作品集と級友マーラーの交響詩版「巨人」(どちらもフックス門下)、そして寺岡・大阪響によるフランツ・シュミットの交響曲全曲完結編となる「交響曲第2番」(ブラームス派)の聴き較べです。
  マーラーの巨人は「花の章」を含む5楽章版ですが、これまでの種まきの後に(「花の章」は寺岡・大阪響では3度目の再演になります!)、なぜ「花の章」を通常の交響曲版に挿入すると違和感があるのか、という謎に対する伏線回収の回でもあります。日本初演となるロットの「ハムレット」序曲他と併せ、ロットとマーラーの「類似と相違」を是非ご自分の耳でお確かめ下さい。
またシュミットの交響曲第2番は、恐らく大阪交響楽団にとってこれまで演奏してきた全ての作品の中で最も演奏難度の高い曲だと思いますが、ロマン派交響音楽のひとつの到達点として、是非とも知っておくべき作品です。知名度ではマーラーやリヒャルト・シュトラウスに劣りますが、魅力では勝るとも劣らないフランツ・シュミットの音楽の魅力を、是非ともザ・シンフォニーホールでお確かめ下さい!

寺岡 清高
大阪交響楽団 常任指揮者
 
寺岡清高写真:(C)飯島 隆

 

2018シーズンメッセージ

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2018シーズンメッセージ

2017-10-26
 外山体制3年目を迎え、新しいメンバーも加わり、まだまだ発展途上の大阪交響楽団は、新シーズンも意欲的なプログラムと演奏をお届けして参ります。私自身も正指揮者に就任した2004年から数えて、節目の15年目を迎えます。昨年のツェムリンスキー「人魚姫」、今年のフランツ・シュミット「交響曲第2番」等、当時からは想像もつかないような演目を、高い水準で献身的に演奏する楽団員には本当に頭が下がります。でも手を緩める気は毛頭ありません!シリーズ「ウィーン世紀末のルーツ〜フックスとブラームスから始まる系譜」最終年は、2公演のうち1回目にシェーンベルクの「ペレアスとメリザンド」、2回目にマーラーの交響曲第3番という両大曲に取り組みます。
 これまで大阪響・寺岡のコンビで様々なウィーン世紀末の音楽を取り上げて参りましたが、シェーンベルクは慎重に避けておりました。しかし機は熟しました。マーラーやツェムリンスキーを始めとする同時代人達のこれまでの演奏経験の蓄積を頼りに、この世紀末交響管弦楽の大作に全力で取り組みます。組み合わせはシュレーカーの佳品「間奏曲」と、昨年ヴァイオリン協奏曲をご紹介したハリウッド音楽の祖・コルンゴルトの「左手のためのピアノ協奏曲」。ソリストは我々と何度もご共演頂いたお馴染みヒンターフーバー氏。
 そしてシリーズ最終回は、私自身思い入れたっぷりのマーラー「交響曲第3番」で締め括ります。たった一曲?いえいえ約100分の超大作です。傑作ではなく佳作。悪い意味ではありません。作曲当時のマーラーが、自身の世界観を表すために、バランスや構成、演奏時間なんて二の次で打ち込んだ結果産まれたのが、この世界最長の交響曲なのです。最終楽章の感動は鳥肌ものです。独唱に福原寿美枝氏、合唱は大阪響コーラスを中心に、関西二期会他を迎え、万全の態勢で挑みます。乞うご期待!
 

大阪交響楽団 常任指揮者
寺岡 清高
 
 
寺岡清高写真:(C)飯島 隆

 
公益社団法人大阪交響楽団
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