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楽団員紹介

インタビュー 大谷 雄一(チェロ首席奏者)

2018-01-05
大谷 雄一(チェロ首席奏者)
— 大阪交響楽団との関わりはいつからですか。
 
2013年頃から客演で呼んでいただき、14年にオーディションを受けて入団となりました。当時のチェロの団員に大学の後輩がいて紹介されました。それ以前は関東で活動していて、母が関西出身なんですが、仕事としてはこれまで関西にはあまり縁がありませんでした。

— 最初に大阪交響楽団で演奏してどんな印象を受けましたか。

響きのニュアンスが少し違うなと思いました。重厚な感じがしたんです。最初に演奏したのがグリーグの「ペール・ギュント」だったのですが、チェロがピッツィカートで出て一緒にホルンが吹くところで、とても新鮮な感覚を感じました。あとは演奏とは別に普段から団員同士のコミュニケーションが多いので、経験が浅い私にとってありがたい環境でした。意見交換もすんなりとできたんです。

— チェロを始めたのは?

母がヴァイオリンを弾いているのですが、子供の頃から母はチェロが弾きたかったんだそうです。その母が趣味で自分のために買ってきたチェロを、私は奪って弾いていました。しばらく母に教えられながらチェロは独学でやっていましたが、ほかにもジャズ・トランペットを吹いてみたり、バンドを組んでギターやドラムをしたり、家で電子ピアノを触ったり、歌も好きでした。チェロは歌に近かったということもあって、そこに惹かれたんだと思います。実は大学受験を決めた時はセンター試験を受けて一般大学に行くつもりでしたが、直前になって「音大に行く」と言い出したんです。「お前はそう言うと思っていた」って高校の先生には言われました。1年間浪人の後に音楽大学へ入学して、そこからはチェロばっかり弾いていました。

— チェロを弾いていて、どういった活動を目指しましたか。

自分の根っこにあるのは弦楽四重奏なんですよ。大学1年生の終わり頃、先輩に誘われてカルテットを組んで、卒業してからも含めて計10年ほど続けました。今そのメンバーはそれぞれ別のオーケストラで活躍しているんですが、そうやって仲間たちに成長させてもらいながら、自分のライフスタイルとして活動をしていました。オーケストラも、カルテットが拡大したものと考えています。将来的には大阪交響楽団でも室内楽のシリーズができたらよいと思っています。

— 首席奏者として目標とするところは?

色々なタイプの方がいらっしゃいますが、今の段階で私が思っているのは、羅針盤や道路の標識でありたいと思っているんです。これは消極的な意味ではなく、方向性を示すことで、セクションの一人一人が迷いなく積極的に演奏できればと考えています。チェロは低音を支えるとともに様々なパートとの関わりがあって、色々と仕掛けることができるのが楽しいんです。
 
 
 
大谷雄一写真:(C)飯島 隆
 
聞き手/小味渕彦之(音楽学・音楽評論)
 
~プログラムマガジン2017年度12月号掲載~
 
 
 
 
 
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