インタビュー 水村 良子(ヴァイオリン奏者)
2024-01-07
一楽器を始めたのはいつだったんですか。
幼稚園の頃に友達がヴァイオリンを習っていて、母が私にも弾かせたくって始めたって聞きました。気がついたら弾いていました。ピアノも習っていて、ピアノの先生になりたいなと思っていた時期もあったんですが、ヴァイオリンの先生が所属するオーケストラを聴きに行く機会があって、「いいなぁ」と感じました。仕事として意識したのは、高校受験の時に音楽高校を勧められた頃からです。音楽教室の弦楽合奏に通っていた時から、みんなで演奏することが楽しいと思っていたので、ヴァイオリンで兵庫県立西宮高校の音楽科に進学して、大学は高校時代の先生が教えておられた大阪教育大学の音楽コースに進みました。卒業後しばらくして、(現・大阪交響楽団の)オーディションがあったんです。
一入団後はいかがでしたか。
2003年、曽我大介さんが音楽監督・常任指揮者の時代です。演奏する曲がほぼすべて初めてで、やったことないものばかりでしたから、譜読みが大変でした。指揮の見方もわからなかったんです。どうやって皆さん弾いていらっしゃるんだろう、どうやって弾けばスムーズなのか、演奏や技術に関してはコンサートマスターやソリスト、他の奏者の方を観察しましたね。自分ににあう奏法を探しました。
ーオーケストラで弾いていて良かったなと思える瞬間は?
音が綺麗にひとつの糸のようにピンとホールに響き渡った時ですね。幸せだなと感じます。
一大阪交響楽団のいいところは?
皆さん個性がありながらも、和気あいあいとしていて意見を言いやすい環境にあるところでしょうか。リハーサルの時に遠慮なく意見を言い合いながらも、本番が良くなればいいと思います。
一大阪交響楽団で印象に残る演奏会は?
特定のコンサートではないですが、児玉宏さん(音楽監督・首席指揮者、2008年4月~2016年3月)が交響曲全曲を指揮したブルックナーのシリーズは印象深かったです。リハーサルの進め方に、一つの曲に向かって一段ずつ階段を登っていくような作業があって、それが音になって、ブルックナーの曲を通して完成されていくっていうのが好きでした。
ー楽団の活動としてアウトリーチも手がけてこられましたね。
今は子育て中で中断していますが、現場に出ると子供たちの素直な反応が見られるので、落ち着いたら再開できればと思っています。
-これからどんなオーケストラ奏者になりたいですか?
さらに上達したいです。個人の技量も含めて、オーケストラで演奏する中で常に向上心を持って続けたいですね。どの曲が好きっていうのは特に無くて、一つのものを作り上げるのが好きです。敷島博子永久名誉楽団代表が提唱された「聴くものも、演奏するものも満足できる音楽を!」を常に目指しながら、演奏を続けていきたいです。
ー20年このオーケストラで弾いてこられたわけですが、ずいぶんと変化がありましたか。
私が入った頃よりいい意味で落ち着いてきたと思います。これからも変わっていくと思いますが、その変化を一緒に歩めたらいいと思っています。やっぱり常に向上心です。