大阪交響楽団 2017年度いずみホール定期演奏会 シェフからのメッセージ

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2017いずみ定期シェフからのメッセージ

 
 
第29回いずみホール定期 演奏会 7月5日(水)
外山 雄三
外山 雄三
外山 雄三

2017年7月5日(水)

昼の部14時30分開演/夜の部19時00分開演

 

 ベートーヴェンの交響曲は第1番から第9番まで、それぞれが、いわば全く性格の異なる音楽である、と言える。それは作曲された年代や、その時のベートーヴェンの環境、生活状態などに影響されている部分も少なくないが、私たちが特に目を惹かれるのは一作毎に確実に充実度を増していくこと、形式も内容もオーケストラの書法も更に発展していくことである。ベートーヴェンのように最初の交響曲から既に確固とした主張、内容を表現しながら、更に充実、発展が目覚ましく、はっきりと表現された例は音楽史上、他には存在しない。
  非常に頑固な性格で、その上、聴覚に病気があって更に不機嫌な、気難しい人間であったと言われているベートーヴェンが、穏やかな心境で、天気の好い初夏、ヴィーン郊外を散策した印象、心境が表現されていると言われているのが交響曲第6番「田園」。緑が一斉に萌え出し、小鳥がさえずり始める中央ヨーロッパの春が、見事に音楽になっている。長く、暗く、厳しい冬を越えて、やっと訪れた春を待ちわびた心を表現した、歌曲を含めてたくさんの作品の中でも、特に私たちに強烈な印象を刻む素晴らしさである。
  交響曲第7番を「舞踏の聖化」と評したドイツの大音楽家が居たそうだが、どこを取っても、これほど一瞬の隙もない音楽は、どうしたら創れるのだろうか、この恐ろしいほどの持続力は一体、何から生まれるのだろうか、と演奏するたびに考える。例えば第4楽章冒頭に提示されるリズムが、全く中断されることなくこの楽章全体を支配する。しかも刻々と変化していく表情を全く邪魔しないばかりでなく、むしろ表情を大きく、豊かにしていく。こんなことをこれほど豊かに、これほど多彩に実現できるのはベートーヴェンだけ。現在に至るまで、これを凌いだ例を私は知らない。だから、特にこの第4楽章を演奏するとオーケストラも指揮者も疲れ果てるが、それでも、これを演奏したい、これをたくさんの方に聴いていただきたいと望んでしまう。この作品は、そしてベートーヴェンという人はそういう存在である。

 

 

大阪交響楽団 ミュージック・アドバイザー

外山雄三

 


 

 

外山雄三写真:(C)S.Yamamoto

 

 
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