大阪交響楽団 2017年度定期演奏会 シェフからのメッセージ

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2017「定期」シェフからのメッセージ

 
 
第216回定期演奏会    2月22日(木)
外山 雄三
外山 雄三
外山 雄三

2018年2月22日(木)19時00分開演
 
「フィガロの結婚」序曲は、いわば「快速調」のテンポで軽やかな風が吹き抜けるような印象だが、実は内容はぎっしり。だからオーケストラの技術も、表現力も、センスも、全てが試される。モーツァルトというと、私たちは透き通るような明るさと、重苦しさとはかけ離れた表現を思い浮かべてしまうが、交響曲第40番ト短調の痛切な悲しみ、あるいはオペラ「ドン・ジョヴァンニ」の、ほとんど耐えきれないほどの重圧感は比べ物がない。そのような、様々なものを突き抜けた世界の、ひとつの象徴がこの序曲だと私は考えている。これを現在の大阪交響楽団が、どのように表現できるか、これも挑戦のひとつである。
チャイコフスキーは番号付きの6曲の交響曲の他に、交響曲「マンフレッド」があるが、特に「第4番」、「第5番」、「第6番」の完成度が高いので、世界中でしばしば演奏される交響曲の代表格である。
「第4番」は、いきなり金管楽器群が高らかに奏でるファンファーレで始まるが、これは、この交響曲全体を貫く一種の「指導動機」である。いわば理詰めの、考え抜かれた形式と言えるが、さらに第3楽章で弦楽器は弓を一切使わず、ピッチカート(弦を指で弾く奏法)のみであることも、前例のない試みであり、しかも、これは大成功を収めた。根底にチャイコフスキー独特の、深い悲しみが溢れているが、それにしても、このように輝かしい金管楽器の響きに縁取られた作品が、人間の深い悲しみを表現していることは、チャイコフスキーにしか為し得ないことであろう。私たちはチャイコフスキーを感傷的な、情緒に溺れることもある作家であると教えられた時代もあったが、これほど古典に精通し、ロシアの音楽にも深く関わり、しかも西ヨーロッパの音楽を知り尽くしていた「知識人」は、他には存在しなかった。その美点の全てが結集している作品のひとつが、この「第4番」であると私は考えている。
 
 
大阪交響楽団 ミュージック・アドバイザー 
外山雄三
 
 
外山雄三写真 提供:大阪国際フェスティバル
 
 
 
 
 
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