大阪交響楽団 いずみホール定期演奏会 曲目解説

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第27回 いずみホール定期演奏会 1月6日(金)
柴田 真郁

2017年1月6日(金)
<昼の部>14時30分開演 <夜の部>19時00分開演
いずみホール

第1部

ヨハン・シュトラウス2世(1825-1899) 喜歌劇「こうもり」

「ワルツの父」ヨハン・シュトラウスの長男で「ワルツ王」と称えられたヨハン・シュトラウス2世が作曲したオペレッタ「こうもり」は、1874年にウィーンで初演され、ウィンナ・オペレッタの一大ブームを巻き起こした。
 
序曲
華やかで一抹の哀愁も漂わせるこの序曲は、ウィンナ・オペレッタの時代の華やかな幕開けを告げる音楽でもあった。
 
アデーレのクープレ「侯爵様、あなたのようなお方は」
銀行家アイゼンシュタイン家の小間使いアデーレは、オルロフスキー伯爵の催す舞踏会に女優と偽って参加する。公爵と身分を偽ってそこに参加していたアイゼンシュタインに、アデーレはあくまでもしらを切り、このクープレを歌う。



ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685-1759) 歌劇「セルセ」

J.S.バッハと同じ年にドイツに生まれたヘンデルは、イタリアでオペラの作曲の修行をした後、イギリスに渡ってオペラやオラトリオといった劇場音楽で一世を風靡した。

▪オンブラ・マイ・フ
歌劇「セルセ」は、1738年にロンドンで初演されたN.ミナートの台本に基づく作品。古代ペルシアを舞台とする喜劇で、好色な王セルセ(クセルクセス)の顛末が描かれている。「ヘンデルのラルゴ」として知られるこのアリアは、開幕早々に恋愛の不具合に心を痛めた(しかしそれはひとえに彼自身の不徳から生じたのだが)セルセが木陰で癒されつつ歌うもの。



ジョアキーノ・ロッシーニ(1792-1868) 歌劇「セヴィリアの理髪師」

早熟の天才児ロッシーニは37歳の若さで「ギョーム・テル(ウィリアム・テル)」を最後にオペラ作曲の筆を折るまで、傑作の数々を生み出し続けた。
 
▪フィガロのアリア「私は町の何でも屋」
「セヴィリアの理髪師」は、ボーマルシェ原作の戯曲をステルビーニが台本化したもので、1816年にローマで初演され、パイジェッロの同名の傑作を凌駕する人気を博し、今日ではロッシーニの代名詞ともなっている。機転のきく理髪師フィガロの協力によって、アルマヴィーヴァ伯爵が美しい娘ロジーナと結ばれるまでが描かれている。モーツァルトの「フィガロの結婚」の前編に当たる物語。このアリアは、フィガロの登場で歌われる。



ジョルジュ・ビゼー(1838-1875) 歌劇「カルメン」第3幕前奏曲

早逝したビゼーの最後の作品にして最高傑作がメリメの原作をもとに作曲した歌劇「カルメン」である。1875年にパリで初演された。奔放なロマの女カルメンと竜騎兵伍長ドン・ホセとの悲劇。カルメンに誘われ兵士からドロップアウトしたドン・ホセが密輸団の一員となる第3幕の開始で奏される前奏曲。



ジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901) 歌劇「アイーダ」

貧しい家に生れ、苦労して作曲家となったヴェルディは、自己克己を積み重ねながら成長を続けた作曲家であった。音楽とドラマの融合を最もイタリア的に達成した作曲家と位置付けることができよう。
「アイーダ」は1871年にエジプトのカイロで初演された。そもそもはスエズ運河の開通を記念して建てられた歌劇場の杮落とし公演のための委嘱作だったが、運河開通に作曲は間に合わなかった。古代エジプトを舞台とした、エジプトの将軍ラダメスと敵国エチオピアの王女アイーダの悲恋の物語。
 
▪ラダメスのアリア「清きアイーダ」
神託によりエチオピアとの戦いの将軍に決まったラダメスは、勝利とアイーダへの気持ちを歌う。
 
▪凱旋の合唱
エチオピアとの戦いに勝利したラダメスに率いられたエジプト群は、人々の歓呼の声に迎えられ凱旋する。



第2部

リヒャルト・ワーグナー(1813-1883) 歌劇「タンホイザー」

音楽史の偶然か、イタリアでヴェルディが生まれたその年に、アルプスの北側のドイツでワーグナーが生まれた。19世紀後半のオペラ・シーンの中核となる2人の巨人が同じ年に誕生したのだ。「リエンツィ」「さまよえるオランダ人」で頭角を顕したワーグナーは、王室ザクセン宮廷指揮者に就任し、1845年に同地で「タンホイザー」を初演する。中世の伝説をもとにワーグナー自身が台本を書いたこのオペラは、13世紀初頭のテューリンゲンが舞台。ヴェーヌスのとりことなったミンネゼンガーのタンホイザーが、領主の姪エリーザベトの愛と自己犠牲によって魂を救われる物語。
 
▪大行進曲「歌の殿堂をたたえよう」
ヴァルトブルクのミンネゼンガーによる歌合戦が、帰還したタンホイザーを加えて執り行われる。大広間へと入場する人々は、期待感に溢れつつ、おごそかに声を合わせてこの輝かしい合唱を歌う。
 
▪エリーザベトのアリア「厳かなこの広間よ(歌の殿堂のアリア)」
ヴァルトブルク城内の歌の殿堂の大広間に、エリーザベトはタンホイザーの失踪以来初めて訪れる。タンホイザーが帰還し、再び歌合戦に参加する喜びを、エリーザベトは瑞々しく歌い上げる。
この二つの曲は、共に第2幕で歌われるが、物語の進行では本日とは逆で、幕の冒頭で「歌の殿堂のアリア」が歌われ、一同の入場時に「大行進曲」の合唱が高らかに歌われる。



ジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901) 歌劇「トロヴァトーレ」

ヴェルデイ中期の傑作群の中でも最も歌の魅力に溢れた作品が、1853年にローマで初演された「トロヴァトーレ」だろう。15世紀初頭のスペインを舞台に、ロマの老婆アズチェーナの宮廷への復讐を軸に、宮廷の女官レオノーラと、吟遊詩人でアズチェーナの息子マンリーコの恋の行方と、マンリーコの恋敵ルーナ伯爵によって物語は展開して行く。
 
▪アズチェーナのアリア「炎は燃えて」
「ジプシーの女」と題された第2幕冒頭の「アンヴィル・コーラス」に続いて歌われるこのアリアで、アズチェーナのロマの個性がはっきり提示される。



ジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901) 歌劇「ドン・カルロ」

ヴェルディ中期の掉尾を飾るシラー原作の「ドン・カルロ」は、1867年にパリで初演された。初演時は全5幕フランス語の作品であったが、後に全4幕のイタリア語に改訂された。今日では双方での上演(更には全5幕イタリア語版もある)が行われている。舞台は16世紀中葉のスペイン王室。国王フィリッポ2世と結婚したエリザベッタは、王子ドン・カルロとかつて愛し合っていた。
 
▪ロドリーゴのアリア「死の時が来た(ロドリーゴの死)」
エリザベッタへの断ち切れぬ思いに懊悩するドン・カルロに、親友ロドリーゴは命をかけて忠誠を誓いこのアリアを歌う。



ジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901) 歌劇「リゴレット」

1851年ヴェネツィアで初演されたヴェルディ中期の傑作「リゴレット」は、ヴィクトル・ユゴーの戯曲「歓楽の王」を原作とし、ピアーヴェが台本を書いた。検閲によって舞台をイタリアのマントヴァに移し、登場人物の名前も変更してようやく世に出た。16世紀、マントヴァ公爵に仕える道化のリゴレットは、愛する娘ジルダを公爵の慰み物にされ、復讐を誓う。殺し屋スパラフチレに公爵の暗殺を依頼したリゴレットだったが、殺されたのは、公爵の身代わりとなったジルダだった。
 
▪ジルダのアリア「慕わしい人の名は」
世間に秘密にして大事にリゴレットに育てられたジルダは、教会で出会った貧しい学生に恋心を抱く。学生の正体が放蕩者のマントヴァ公とは知らず、告げられた偽りの身の上と彼からの愛の告白に陶然としながら、ジルダはこのアリアを歌う。
 
▪四重唱「愛する美しい乙女よ」
マントヴァ公の暗殺を依頼したリゴレットは、ジルダと共にスパラフチレの家の中を窺う。スパラフチレの妹マッダレーナを誘惑するマントヴァ公とそれをあしらうマッダレーナ、心乱れるジルダに怒りと復讐心をつのらせるリゴレット。四人四様の心理が四重唱で歌われる。



ジャコモ・プッチーニ(1858-1924) 歌劇「トゥーランドット」

イタリア・オペラにおけるポスト・ヴェルディの地位は、プッチーニが手に入れた。ヴェルディがひたすらに悲劇を生み続けたのに対し、プッチーニは感傷劇を作り観衆の涙を誘った。「トゥーランドット」はプッチーニの最後の作品で、未完の傑作。アルファーノによって補筆完成された全曲は、作曲者の死後の1926年にミラノで初演された。
 
▪トゥーランドットのアリア「この宮殿の中で
中国の絶世の美女トゥーランドット姫は、いにしえのローリン姫の悲劇とその復讐をこのアリアで歌う。
 
▪カラフのアリア「誰も寝てはならぬ」
国を追われさまよう韃靼人の王子カラフは、北京で出会ったトゥーランドットの美しさに心奪われ、求婚のために命懸けの謎解きに挑戦し、遂に勝利する。結婚を嫌がる姫に、カラフが逆に出した問いに、姫の命令で北京の人々は夜も寝ずに答えを探している。夜明けが近づく中、勝利を信じるカラフは、このアリアを高らかに歌う。
 
 
     
        (C)國土 潤一(音楽評論)(無断転載を禁じる)
 

      
 
 

 
 
 
 
 
                                     
 
 
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