大阪交響楽団 曲目解説 名曲コンサート 2015年度

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2015年度 名曲コンサート 曲目解説

 
 
第88回名曲コンサート   10月31日(土)
工藤 俊幸
潮見 裕章

 
珍しい楽器の協奏曲シリーズ ”テューバ”
 
2015年10月31日(土)
昼の部 13時30分/夜の部 17時00分 開演
 


ラヴェル:「マ・メール・ロワ」組曲

「お嬢さん、あなたがピアノの名手になり、私がお爺ちゃんになっても、ある芸術家が、自分が作曲した風変わりな曲を、あなたが相応しい感情を込めて演奏したのを耳にして無上の喜びを感じた、と優しく思い返してくれるでしょう」。モーリス・ラヴェル(1875~1937)が1910年、知人の幼い子供たちのために書いたピアノ連弾用の組曲「マ・メール・ロワ」。その初演を同年に行った、やはり幼い2人の少女のうちの1人に、ラヴェルはこうしたためた手紙を送りました。
童話集「マザー・グース」にある物語をテーマにしたこの組曲は、翌年に管弦楽のため編曲、さらなる色彩を纏いました。子守歌のような「眠りの森の美女のパヴァーヌ」、入り組んだ小径の向こうから小人が顔を出す「おやゆび小僧」、独特な旋法で中国製の陶人形を描写する「パゴダの女王レドロネット」、典雅なワルツとコントラファゴットの粗野な呟きが対照的な「美女と野獣の対話」、そして、眠り姫の目覚めを描く「妖精の園」の5曲で構成。また、これらの曲順を入れ替え、新曲を追加したバレエ音楽も存在します。


クーツィル:テューバ小協奏曲 作品77

「珍しい楽器の協奏曲」シリーズ第3弾の主役は、テューバです。オーケストラでは普段、最後列に位置しています。しかし、この作品の後に演奏されるチャイコフスキーの交響曲でもそうですが、大地を震わす音色に、キラキラ輝く巨体も相まって、存在感は十分。そんなテューバが、大阪交響楽団が誇る名手・潮見裕章さんの妙技で、高い機動性と豊かな表現力を備えた、ソロ楽器としての一面を披露します。
ヤン・クーツィル(1911~2006)はオランダの作曲家で指揮者。テューバと弦楽オーケストラのための協奏曲は、1978年に書かれ、82年に改訂されています。まずは、短い前奏の後に、テューバがいきなり華麗なカデンツァを聴かせる「生き生きと速く」の第1楽章。歌心あふれるロマンツァと、音の跳躍がスリリングなスケネルツィーノが好対照を成す第2楽章を挟み、有名な「クラリネット・ポルカ」の旋律も聞こえて来る、ユーモアいっぱいの終楽章「バイエルンのロンド」が続きます。


チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 作品64

「最近の音楽的な事件の中で、最も重要なもの」。ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840~93)が1888年、作曲したばかりの新作・交響曲第5番を自らの指揮により、ハンブルクで披露した際に、ある批評家はこう激賞しました。実は、その直前まで、作曲家はスランプに。しかし、「私自身にも、他の皆にも私の創造の泉が枯れてはいないと証明するため、これからは、気を入れて働くつもりです」と知人に宣言。生み出されたのが、この交響曲第5番でした。
この作品を特徴づけているのは、全ての楽章に共通する主題が使われている「循環形式」。第1楽章冒頭でクラリネットが奏する「運命の主題」は、ある時は重々しく、ある時は輝かしく、変幻自在に登場します。静かに始まり、やがて嵐のようにうねる第1楽章は、再び闇へ。第2楽章でホルンが奏する美しい旋律は、歌詞が付けられ、「Moon Love」のタイトルでフランク・シナトラらも歌いました。そして、定石のスケルツォではなく、チャイコフスキーお得意のワルツが置かれた第3楽章。最終楽章で「運命の主題」は長調へと明転し、力強く勝利を謳い上げます。

 
 
       (C) 寺西 肇(音楽ジャーナリスト)(無断転載を禁ずる)
 

 

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