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2014年度 名曲コンサート 曲目解説

 
 
第83回名曲コンサート  10月4日(土)
佐藤 俊太郎
ショーン・ケナード

 
“フィンランドからの秋風”
2014年10月4日(土)
昼の部 13時30分/夜の部 17時00分 開演 
 
グリーグ:「ペール=ギュント」第1組曲 作品46
 
 女性遍歴の末に理想の人に出逢い、その恋人を残したまま旅に出て、数々の冒険を重ねて帰郷、最期は愛する人の腕の中で息絶える-。19世紀ノルウェーの劇作家イプセンが戯曲に綴ったペール=ギュントの破天荒な生き様こそ、世の淑女からの不評を覚悟で言えば、「男のロマン」かも。作家自身の依頼を受けた同じノルウェーのエドヴァルド・グリーグ(1843~1907)は、1876年の舞台初演に向けて、27曲に及ぶ劇付随音楽を書きました。
 さらに、1891年と翌年にかけ、そこから4曲ずつを選んで、2つの管弦楽組曲に仕立てました。この第1組曲は、差し込む光と吹き渡る風を感じる第1曲「朝」に始まり、主人公の母が黄泉へと旅立つ第2曲「オーセの死」、遊牧民の娘の誘惑の舞いを描いた第3曲「アニトラの踊り」、魑魅魍魎が迫り来る第4曲「山の魔王の宮殿にて」で構成されています。
 
 
ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 作品21
 
 「僕には、理想の女性がいる。ここ半年、言葉を交わすこともなく、しかし誠実に、心の中で彼女に仕えている。あの人を夢見て、想う中から、私の協奏曲のアダージョは生まれた」。フレデリック・ショパン(1810~49)は1829年10月、親友に宛てて、手紙に綴りました。ここで言う“理想の女性”とは、ワルシャワ音楽院で声楽を学ぶコンスタンツィア・グワトコフスカ、“私の協奏曲”とは、後に「第2番」と呼ばれるヘ短調協奏曲。しかし、天性の美しい歌声で人気の彼女にとって、彼は取り巻きの1人に過ぎませんでした。
 コンスタンツィアは程なく、資産家と結婚。儚くも散ったショパンの初恋は、2つの美しい協奏曲へと結実し、独特の詩情が凝縮された名曲として、人々に愛されています。共に1830年の作曲ですが、実は「第2番」の方が先に完成。しかし、当作の出版が3年遅く、順序が入れ替わりました。「マエストーソ(荘厳に)」の第1楽章は、片思いの切なさを投影。第2楽章アダージョでは、弦が紡ぐ絹の絨毯の上で、ピアノが恋しい人の歌声をなぞります。最終楽章は、ポーランドの舞曲クヤヴィアクを踏襲したロンド。青春の熱い想いが駆け巡ります。
 
 
シベリウス:交響曲第2番 ニ長調 作品43
 
 まるで春の喜びを謳い上げるよう。フィンランドを代表する作曲家、ジャン・シベリウス(1865~1957)の交響曲第2番の冒頭を聴けば、こう感じるでしょう。それも当然、作曲家は故国の厳冬とは真逆の、明るい陽光にあふれた南国で、この曲を書いたのですから。シベリウスは1901年2月、妻や娘たちと共に、イタリア・ジェノヴァ郊外のリゾート地に滞在。ここで創作意欲を刺激された彼は、2作目の交響曲の作曲に本腰を入れ、ローマ滞在を経て、フィンランドへ帰国後の11月に完成させました。
 第1楽章は雪解けを思わせる、弦楽器のさざめきでスタート。喜ばしいホルンが応えて、春の訪れを高らかに宣言し、多彩なエピソードが咲き乱れ、再び弦のさざめきが聞こえて来ます。低弦のピツィカートが歩みを進め、ファゴットが嘆息を漏らす第2楽章。かたや、温かな弦の調べは、雲間に顔を覗かせる陽光のよう。そして、吹き荒ぶ疾風と穏やかな牧歌が好対照を成す第3楽章。続けて演奏される最終楽章では、輝かしい第一主題と骨太な第2主題から、生命力がほとばしります。

 

(C) 寺西 肇(音楽ジャーナリスト)(無断転載を禁ずる)

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