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2013年度 名曲コンサート 曲目解説

 
 
第79回名曲コンサート   10月6日(日)
児玉 宏
小山 莉絵

≪ジュピター≫
2013年10月6日(日)
昼の部 13時30分/夜の部 17時00分 開演 
 

モーツァルト:セレナーデ 第13番 ト長調「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」K.525
 この曲を聴いた経験がない方は、おそらくいらっしゃらないはず。31歳のヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756~91)が、弦楽合奏(または弦楽五重奏)のために書いた有名なセレナーデは、“モーツァルトの”というより、もはや“クラシック音楽”の代表格でしょう。「セレナーデ」は夜、恋人の窓辺で愛を囁くルネサンスの歌曲に由来しますが、18世紀には複数の楽章を持つ器楽曲を指しました。作曲者本人によるタイトルは「小さな夜の曲」。でも、この由来を思えば「小セレナード」との感覚かも。分散和音がダイナミックなアレグロ、抒情的な歌曲「ロマンツェ」の名が冠された優雅なアンダンテ、力強い主部と繊細なトリオ(中間部)の対比が鮮烈なメヌエット、軽快で推進力に満ちたロンド形式のアレグロからなる全4楽章。本来、第1楽章の後には、もうひとつのメヌエットが存在したと考えられていますが、残念ながら、今は失われてしまいました。

 

モーツァルト:ファゴット協奏曲 変ロ長調 K.191(186e)
 普段は“縁の下の力持ち”に甘んじているイメージのファゴットも、モーツァルトの手にかかれば、ソロ楽器としての魅力を存分に発揮します。18歳の時に作曲した当作は、管楽器のために書いた協奏曲として、初めての作品。故郷ザルツブルクの宮廷楽団のファゴット奏者のため、職務の一環として作曲したと見られています。まずは、ホルンが輝かしい印象を与える第1楽章アレグロ。長めの前奏に続いて、おもむろに登場するソロのファゴットは、落ち着いた音色と、溌剌とした楽想のギャップが面白いですね。「アンダンテだが、アダージョ風に」の第2楽章は、ファゴットがテノール歌手の如く、甘い旋律を謳い上げます。そして、ソロが華麗な縫い取りを聴かせる「メヌエットのテンポで」の終楽章。見た目も大きな楽器が聴かせる機敏な動きは、まさに名人芸の極みと言えましょう。

 

モーツァルト:交響曲 第41番 ハ長調「ジュピター」K.551
 作曲家のR.シュトラウスは語りました。「私が聴いてきた中で、ジュピター交響曲は最も偉大な作品です」と。モーツァルトが完成させた最後の交響曲にギリシャ神話の最高神「ジュピター」の名を与えたのは、ハイドンと関わりの深いヴァイオリニストで興行主のヨハン・ペーター・ザロモン(1745~1815)。骨太さと優雅さを併せ持つ端正な交響曲に、いかにも相応しいですね。主和音を3回打ち鳴らして始まる冒頭楽章は、8小節が1単位の堅牢な作りで、強弱の対比が鮮やか。第2楽章は、ミュート(弱音器)を付けた弦楽器が甘美な主題を奏し、時折り楔(くさび)のようなフォルテが穿(うが)たれます。下降音型が印象的なメヌエットを挟んで、終楽章へ。冒頭で奏される「ド・レ・ファ・ミ」の4音からなる主題は「ジュピター音型」とも呼ばれますが、古来のグレゴリオ聖歌に由来。実は、第1~3楽章でも、既に様々な形で登場しています。やがて、シュトラウスをして「天上にいるよう」と言わしめた見事なフーガへ。実は、この「ジュピター主題」、モーツァルトが8歳の時に書いた最初の交響曲変ホ長調(K.16)にも登場。最初と最後の交響曲に同じ主題が使われているとは、何か因縁めいたものを感じざるを得ません。

(C) 寺西 肇(音楽ジャーナリスト)(無断転載を禁ずる)

 

 

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