00998997
 

2013年度

 

2013年度 名曲コンサート 公演批評

2013年度 名曲コンサート 公演批評
 
第77回名曲コンサート
第77回 名曲コンサート
第77回 名曲コンサート
第77回 名曲コンサート

≪スコットランド≫
2013年6月30日(日)13時30分/17時00分開演
ザ・シンフォニーホール
 
 「ヨーロッパで活躍する若手日本人」シリーズ第2弾の今回は、首席客演指揮者でドイツのマグデブルグ歌劇場の音楽監督を務める、キンボー・イシイ=エトウを指揮台に迎え、メンデルスゾーンの序曲「フィンガルの洞窟」、それに交響曲第3番「スコットランド」が演奏された。またヴァイオリン独奏には、京都出身の1990年生まれの23歳、現在ベルギーのブリュッセル音楽院に在学中の黒川侑が呼び戻され、サン=サーンスのヴァイオリン協奏曲第3番を弾いた。なお彼は2013年度の、第23回出光音楽賞の受賞者でもある。
 中でも黒川のサン=サーンスは秀逸で、技巧の面からいっても、演奏解釈の面からいっても、とても学生とは思われない、一人の完成されたアーティストの芸である。単にヴァイオリンを上手に弾くという域を越えて、聴衆に何かを語りかける姿勢が感じられる。取り分け第3楽章では、ヴィルトゥオーゾとしての冴えを存分に発揮して、いわゆる独奏者らしい華のある表現に終始していた。そしてその技巧の冴えは、アンコールでのパガニーニのカプリス第11番で、再び聴き手の心に刻み込んだといえる。彼はベルギーに留学してから、帰国するたびに大きく成長しているようだ。このサン=サーンスももぎたての果実のような、瑞々しい若やいだ表現が魅力で、関西が生んだ久方ぶりの大型新人として、高く評価して置きたいと思う。
 またイシイ=エトウの指揮するメンデルスゾーンは、体質的に両者の資質が合っているらしく、いささか軽めのスタイルだったものの、極めて内実の充実した表現が聴かれたと思う。管楽器をファゴット、ホルン、トランペットを一人ずつ増員して、内声をはっきりと浮き立たせ、響きの充実を目指した工夫の痕も窺え、イシイ=エトウのこの演奏にかける、ある種の意気込みのほども十分に感じられた。反面弦楽器はトゥッティで、やや荒っぽく響く面も散見されたが、大阪響のアンサンブルは緻密さを失うことなく、指揮者の意をたいして立派に反応していたといえる。しかし今回の最高の収穫は、やはり黒川のソロイストとしての目覚ましい成長ぶりだっただろう。
(6月30日・ザ・シンフォニーホール)
(C)出谷 啓
公益社団法人大阪交響楽団
Osaka Symphony Orchestra
〒590-0074
大阪府堺市堺区
北花田口町3-1-15 東洋ビル4F
TEL:072-226-5533
FAX:072-226-5544
 
 
四国支局
〒790-0051
愛媛県松山市生石町
649-11-402
TEL:089-947-4751
FAX:089-934-3577
 
 
201309301658395847.jpg
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
<<公益社団法人大阪交響楽団>> 〒590-0074 大阪府堺市堺区北花田口町3-1-15 東洋ビル4F TEL:072-226-5533 FAX:072-226-5544