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2013年度 定期演奏会 公演批評

2013年度 定期演奏会 公演批評
 
第181回 定期演奏会
第181回 定期演奏会
第181回 定期演奏会
第181回 定期演奏会

≪フィンランドの森の妖精たち≫
2013年11月28日(木)19時00分開演 ザ・シンフォニーホール
 
《フィンランドの森の妖精たち》と題された今回の定期は、すべてシベリウスの作品でまとめられたプログラムで、指揮はほぼ1年半ぶりの登場となる高関健である。
 曲は、CDに録音されたものを探してもほとんど見つけられないほどで、国内盤でやっと1点あるくらい珍しい舞踏間奏曲「パンとエコー」、同じく実演に接する機会はかなり少ない交響曲第4番、そしてそれよりはまだ接する機会があるだろう交響曲第7番と交響詩「タピオラ」の4曲である。オール・シベリウスのプログラムとなれば、有名な交響曲第2番でも入っていないと、と思えるくらい渋い内容であり、そのせいか客席はいつもより空席が目立った。とても知名度の低い作曲家の珍しい作品がプログラムに載った場合でも、近年の大阪響の定期は、かなり客の入りが良い状況が続いているのに、なぜだろうか。やはりシベリウスの作品となると、特別な機会という思いが生じないのかも知れない。
 それはともかくとして、演奏はなかなかに充実したものだった。前回の高関はベートーヴェンばかりを指揮した。その時にも書いたことだが、かつて力任せにオーケストラを鳴らす傾向がなくなり、端正でいて柔軟な響きと表現をとるようになった高関だが、今回はシベリウスということで、いささか不安を抱きながら臨んだ。しかし今回も余分な力を少しも感じさせない、柔軟でいて音楽の流れがスムースな演奏となっていた。前回がたまたまそうだったのではなく、確かに円熟の刻を感じさせる内容である。冒頭の「パンとエコー」でのたっぷりと鳴らした弦の響きの豊かさや、テンポが速くなってからの弦のピッチカートの美しさ、そしてその中で管楽器を巧みに浮き上がらせるバランス感覚など、なかなかに印象的な演奏だった。曲自体がコンパクトで、もう少し展開させて構成を大きくすればもっと魅力的な作品になるのでは、とも思えるが、もっと聴かれていい小品である。
 交響曲第4番と第7番も、同じ線上にある演奏で、様々に変化する曲想に応じて無理なく音楽を流れさせ、第4番は曲の持ち味にもよるだろうが、少し用心深いと思えるような箇所があったりしたものの、全体は堅実でいて飽きさせることのない表現が達成されていた。それは第7番で一段とダイナミックさを伴って魅力的に発揮されていた。前の2曲に比べると、より起伏が大きい曲だけに、最強音も出てくるが、その時でもオーケストラを良くコントロールして、騒々しい強音を聴かせることがなかったことも高く評価したい。
 こうして曲が進むほどに美しく清澄な響きを増幅させ、最後の「タピオラ」で最高潮になったと言って良いだろう。表現も確信に満ちており、作品の持ち味もあってだろうが、最も楽しめる内容になっていた。これでもう少し細やかなニュアンスが加われば、もっと魅力的な演奏になるように思えたが、とにかく全ての曲で、まさしくシベリウスの音と響きになっていたこと、それを高関が実現できたことに大きな喜びを感じた一夜であった。
                                                           (C)福本 健
 
 
 
 
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