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楽団員の部屋

インタビュー 原田 詩穂(ヴィオラ奏者)
2026-09-18
— ヴァイオリンを始めたのは4歳のときですね。きっかけは。
 家でCDが流れていて、「この楽器は何?」と聞いたら、ヴァイオリンだと教えてもらって「やってみたい」と言ったのがきっかけだったようです。母がピアノを教えていたので、音楽は身近でした。学校生活の中に練習時間がある、という感じで、小さい頃はヴァイオリニストかヴァイオリンの先生になりたいと思っていました。

— 進路として音楽を意識したのはいつ頃ですか。
 中学に進む頃です。「ヴァイオリンを続けたい」と言っていたようで、自由な校風の奈良女子大学附属の中高一貫校に進みました。部活には入らず、帰宅後に練習する毎日でした。音楽だけではなく様々な分野に興味を持つ友人たちと過ごす中で、色々な価値観や考え方に触れられたのはよかったです。

— ヴィオラとの出会いは大学時代ですね。
 はい。京都市立芸術大学ではヴィオラ専攻が少ないため、ヴァイオリン専攻も2回生でオーケストラのヴィオラを弾くことになっていました。19歳で初めて弾きましたが、自分がヴィオラ奏者になるとは思っていませんでした。室内楽でも弾く機会が多く、卒業まで副科で続けました。「向いている」と言われましたが、転向までは考えていませんでした。

— 本格的に気持ちが向いたのは卒業後ですか。
 そうです。フリーランスでヴァイオリンの仕事をしていた頃、秋吉台室内楽セミナー「秋吉台の響き」にヴィオラで参加しました。ヴァイオリンでは何かを背負う緊張感がありましたが、ヴィオラではただ楽しかったんです。そこで改めて「向いている」と言われ、ヴィオラを本気で勉強したいと思いました。

— ヴィオラのどこに惹かれましたか。
 まず音が好きでした。ヴィオラを弾くと、今までできなかったことができ、自由になった感覚がありました。歌いたいことや曲のイメージを自然に表現できる。天職だと思い、小峰航一 先生のレッスンに通いました。コロナ禍で仕事が止まった時期も、家で練習を続けました。

— 京都市交響楽団(京響)では契約団員を務められました。
 産休に入る方の代わりとして1年間弾きました。挑戦的な曲が多く、特に沖澤のどかさんの指揮で演奏したコネソン《コスミック・トリロジー》は本当に大変で、必死に練習しました。ヴィオラ・パートの方々があたたかく、本当に多くを学びました。

— 大阪交響楽団のオーディションはその期間中ですね。
 はい。京響の契約中に受け、合格しました。実家が奈良で、関西のプロオーケストラで活動したい思いがあったので、大きなチャンスでした。契約を終え、2024年9月に入団しました。

— 入団後の印象は。
 とてもあたたかく和気あいあいとした雰囲気の楽しいオーケストラです。演奏に一人ひとりの個性や魅力が活きていて、とても情熱的で、自分が自由に音楽できる感じが楽しいです。

— 印象に残る演奏会は。
 常任指揮者 山下一史さん指揮の、創立45周年記念のヴェルディ《レクイエム》です。合唱、独唱、オーケストラ、満席のお客様が一体となった、その場の熱量と高揚感に喜びと感動を覚えました。

— ヴィオラを弾いてよかったと思う瞬間は。
 内声として全体の響きを支えることに喜びを感じます。一方で、たまに出てくるヴィオラが目立つ場所ではパート全体の空気が変わり、「ここだ」という雰囲気になるのが面白く、ヴィオラらしいと思います。


原田詩穂 写真:(C)飯島 隆
 
聞き手/小味渕彦之(音楽学・音楽評論)
 
~プログラムマガジン2026年度9・10・11月号掲載~
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