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テアトロ曲メッセージ

 

Teatro Trinitario2020  メッセージ

Teatro Trinitario2020  メッセージ
 
「ボレロ・フェニーチェ」
 
 
中村祥子さんが踊る「ボレロ・フェニーチェ」
野間バレエ団 副団長 野間 景
 
 最初に、この作品に世界のプリマである中村祥子さんに主演頂けますことに、心から感謝申し上げます。
当初、今回のご出演の最終のお返事を頂く際に「私も出来る限りのベストを尽くしたいと思っています!!」と祥子さんからのお言葉を頂くことができ、私は涙が溢れました。
この上ない光栄なことであり、感謝の言葉もありません。
また、今公演で祥子さんにはもう1曲、ウヴェ・ショルツ振付の「Sonata」をご主人であり、ベルリン国立バレエ団で祥子さんと共にプリンシパルを務められた、ヴィスラフ・デュデックさんと踊ってくださいます。お二人が築き上げられた作品を、日本で、この堺で上演してくださること、しかもショルツ作品を!私自身も本番が楽しみでなりません。
この舞台にこのような素晴らしい作品を上演くださいますことに大変感謝しております。
 
 
 「ボレロ・フェニーチェ」という作品に、私はこの「フェニーチェ堺」という劇場の永年的な繁栄の願いを込めております。
隙のない美しさ、強靭な肉体と精神兼ね備えた女神のような存在の中村祥子さんが主役の「フェニーチェ(不死鳥)」を踊ってくださることで、私のこの劇場に対しての思いは更に真に深まります。
この作品は昨年の秋にグランドオープンされた堺市民芸術文化ホール「フェニーチェ堺」の永年的な繁栄を思い、2018年2月に初演致しました。
その頃、なぜこのテーマに行き着いたかというと振り返ってみると、不思議なくらいに使命感にかられ、導かれるような力を感じていました。
 私は「フェニーチェ堺」の前進である「堺市民会館」で育ったといっても過言ではないほどで、初めて舞台に立った4歳のときから2014年の閉館まで毎年ずっとこの「堺市民会館」で長年踊りました。まさに私にとってのホームグラウンドです。
最後の頃は老朽化が激しく、楽屋のドアノブが壊れて、中に閉じ込められたこともあったくらい。。
古い会館ならではの経験もしましたが、堺市民会館が私にとっては大切なホームグラウンドですから、閉館が決まった時には、す~っと気持ちが抜け落ちて、胸が痛むほどの寂しさがありました。
更地になる「市民会館」。分かっていてもなんとも辛くショッキングでしたが、それと同時に大事なものがなくなり、大きな更地となった「地」というものに私の感覚は非常に強く突き動かされました。
この感覚を作品にしたい!と。
その静まり返った「地」に対して、先で繁栄するであろう劇場の名は「フェニーチェ(不死鳥)」。
ピタッとイメージが重なり合い、その間を継ぐエレメントの存在が更に重なり「地」「風」「水」「火」の4つのエレメントと「フェニーチェ(不死鳥)」の構図が出来上がりました。
無くなる寂しさから、力強いポジティブな方向へと突き動かされ、この同じ地に「フェニーチェ堺」とうい素晴らしい劇場が誕生することに期待が膨らみ、新しい劇場とともに、一緒に長く力強く発展したいという思いがふくらみ、そこから一心にこの作品を創り上げました。
 この作品では、「地」「風」「水」「火」の4つのエレメントたちが、「無」の存在に身を捧げるかのようにエネルギーを出し合って力を与え、不死鳥である「フェニーチェ」を誕生させます。
発展する力強さ、創りあげる魂を表現しています。
新しいものを生み出す時には、その過程でとてつもない大きな葛藤があり、戦いがあり・・と沢山の産みの苦しみがあり、それを乗り越えた先に、助け合う力が生まれ、喜びに繋がっていくものだと思います。
「フェニーチェ堺」も開館するにあたり、沢山のドラマがあったことだと思い、携わられた皆様に敬意を持ってこの作品創りに当たらせて頂きました。
また今回の舞台制作でも、堺シティオペラ、大阪交響楽団、野間バレエ団が三位一体となっての質の高い舞台を創り上げる為には妥協は許されません。
 この「Teatro Trinitario2020」にも制作の過程で多々紆余曲折ございましたが、3社で力を合わせて助け合い、フェニーチェ堺様に支えて頂き、乗り越えた舞台が今公演の本番です。
皆さまに面白みのある舞台としてお楽しみいただければ嬉しく思います。
 「ボレロ・フェニーチェ」ではフェニーチェ役の中村祥子さんを筆頭に、ダンサー達がクライマックスに向かってとてもハードに動くシーンが連続していくことで、生み出すその力を表現しています。
そのように、三位一体の「Teatro Trinitario2020」の舞台が、今まさに、力強く生まれよとしています!
 
 
 
「Sonata」
 
 
Sonataについて 
中村 祥子
 
今まであまりウヴェショルツさんの作品を
踊ったこともなく、目にする機会もありませんでしたが、いくつかの作品を見せて頂く機会が
あり、とても素敵な作品集にダンサーとして
心を揺さぶられました。
その中のひとつがSonataであり、今回一緒に
踊る夫のWieslawとともに決めた作品です。
この作品は、ブリジットカイルさんとウラディミルクロウスさん
のために作られた作品ということで、
一度ビデオを撮って彼らに送り、ニュアンスなどを聞くことができましたが、実際に一緒に
リハーサルをすることが出来ないので、
長い間、ウヴェのもとでプリンシパルとして
踊られていた木村規予香さんに指導して頂けることとなりました。規予香さんは、ダンサーとしても素晴らしい感性を持たれている方で
あり、ウヴェの思いをしっかりと受け継がれており、ひとつひとつの動きに対してウヴェが
伝えたかったことを細かく教えて下さいました。どの作品に対してもそうですが、
踊れればよいというものではなく、
振り付け家の思いを振り付けにのせて
踊ることの難しさ、そして大切さを
あらためて感じることができ、また新しい作品
新しいスタイルを取り入れていける素晴らしい
機会となりました。
舞台が終われば、その作品ともに終わりになりますが、作品にかけた情熱、思いはダンサーとしての大切な実りです。
ウヴェが作品に込めた思いが皆様に伝わるよう
心込めて踊りたいと思います。
 
 
 
 
歌劇「カルメン」より抜粋 
 
【CARMEN】(歌劇「カルメン」) 
              堺シティオペラ エグゼクティブプロデューサー 坂口茉里
 
Teatro Trinitario 2020 "バレエ×オペラ×オーケストラ" 堺市に存在する3つのグループ(野間バレエ大阪交響楽団堺シティオペラ)が挙って、プログラムの最期を飾るのは何と言っても舞台総合芸術であるオペラ!
まもなく誕生1年目を迎える《フェニーチェ堺》(堺市民芸術文化ホール)でのフィナーレは世界で最も人気のある作品の一つである“カルメン”のダイジェスト版で纏めました。
COVID-19 新型コロナウィルス感染症の収束を迎えない中、数々の制約を持ちながらの上演です。できる限りの心配りの一つとして場面転換や合唱の扱いを考慮する中、スタッフの皆様の心意気や心配りを感じるフェニーチェ堺からの発進。
堺市に存在する文化芸術力の一部を集めて創造したものです。
 
【CARMEN】は原語のフランス語での歌唱です。本日は字幕を読んでいただく形ではなく、堀江政生様のナレーションによって物語を進めてまいります。
オーケストラはオーケストラピットに入って文字通り“縁の下の力持ち的存在”でオペラを支えてまいります。このオペラの中に純粋なバレエ音楽は作曲されていませんが、本日は≪特別なお愉しみ≫が点在しています。
 
◆前奏曲
 歌劇中の主要な旋律で構成されている幕が上がる前のオーケストラ曲。
華やかな闘牛士たちの入場行進の音楽、次いでホセの恋仇となる闘牛士エスカミ―リョのテーマ的旋律(闘牛士の歌)、最後はカルメンの死を暗示する〝運命のテーマ〟が盛り込まれています。4幕からなるオペラ【CARMEN】全幕の演奏時間2時間半を約3分半に集約された音楽の宝箱のような前奏曲に、バレエを組み入れてのオペラ開幕です。
 
≪第一幕≫
ハバネラ
煙草工場で働くカルメンは セヴィリアの街の広場に現れ、自分の自由奔放な愛を歌い、自分の存在に無関心なホセに「あんたがつれなくとも、こっちは惚れる。あたしに惚れられたら、気を付けな!」と妖艶な歌でホセを誘い、ホセに花を投げて姿を消します。
 
ホセとミカエラの二重唱
 カルメンとの衝撃的な出会いに戸惑うホセの下へ故郷の母親から手紙を預かった許婚者のミカエラがやってきます。ホセは母親からの手紙や優しい接吻のことづけをミカエラから受け、「僕たちの故郷・・・母さんが目に浮かぶ…」と遠く懐かしい故郷への感慨を込めて歌う美しい二重唱です。
 
煙草女工たちの喧嘩の合唱
 女工の荒々しい叫び声で始まる女声合唱曲。
煙草工場でカルメンが女工仲間との間に起こした喧嘩騒ぎを、荒々しく早口言葉のよう
な言葉捌きで激しく歌われます。
「助けてよ、兵隊さん!」と騒動を鎮めようとする駐屯の竜騎兵たちに向かって女工たちは口々に叫びます。怪我人をだしたカルメンは遂にホセに引き立てられます。
 
セギディーリャ
  カルメンは、牢屋送りを免れようと軽快な舞曲のリズムにのってホセを誘惑します。
「馴染みの酒場リーリャス・パスティアで、マンザニーヤに酔いしれ、セギディーリャを
踊りたいの!」と妖艶に歌い、ホセを誘惑し、ホセは甘言にほだされてカルメンを逃がしてしまい、投獄されることになりました。
 
 
≪第二幕≫ 
 
ジプシーの歌
町外れのリーリャス・パスティアの酒場。
カルメンは「妖し気な楽の音にジプシー娘は座ってなんかいられやしない」とエキゾティックなオーケストラの前奏に導かれ、ダンサーたちが踊っています。次いでカルメンの女友達のフラスキータが歌い踊り出し、仲間のメルセデス、カルメンもそこに加わります。徐々に興奮の内にテンポアップされ、早口にまくしたててゆく、血沸き肉躍るという形容が相応しいジプシー(ロマ)の歌です。
 
闘牛士の歌
 人気絶頂の闘牛士エスカミーリョが酒場に現れ、もてはやす取り巻きの群衆に向かって「諸君らの乾杯にお返しを・・・」と威勢よく歌い出し、闘牛の勇ましさを群衆に伝え、闘牛
のすばらしさを讃え歌います。
 
五重唱
一方、密輸人の男のダンカイロとレメンダードが カルメン、フラスキータ、メルセデス、の3人に「ひと仕事思いついたんだが…」と密輸の話を持ちかけていますが、
「兵隊さん(ホセ)に恋しているから手伝えない」とそっけない返事のカルメン。
皆で手を代え、品を変え、カルメンを説き伏せようとするコミカルなアンサンブル。
 
花の歌
 カルメンを逃がした罪で、伍長から兵卒に格下げされ営倉送りになっていたホセですが、獄中でのカルメンへの募る想いを「お前が投げ寄こしたこの花は、営倉の中でも俺のもとにあった」と、香りの残る花を手にカルメンへの募る想いを吐露する甘く情熱的なアリア。
 
第三幕への間奏曲
穏やかなハープにのって、伸びやかな旋律をフルートが清らかに奏でる美しい間奏曲。
この歌劇中における一服の清涼剤のようなオーケストラ曲ですが本日はPas de deux。
 2人のダンサーによる一場面とのコラボレーションをお愉しみください。
 
 ≪第3幕≫ 
ミカエラのアリア
 不気味な闇夜の中、荒涼とした岩山に潜む密輸人たちの野営地に今や脱走兵となってカルメンらの密輸仲間に加わっているホセを訪ねてミカエラが訪ねてきます。病気の母の元へホセを連れ戻そうと「何も怖くなどはないわ…、そう、大丈夫よ! 神様どうか勇気をお授けください!」と健気に歌う抒情的なアリア。
 
第四幕への間奏曲「アラゴネーズ」
 最終幕を前にして悲劇的なファンファーレのごとく開始されるオーケストラの間奏曲。仄暗い哀愁を帯びたスペイン情緒が大変印象的な楽曲。本日はバレエも入った豪華版で
 終幕を飾ります。
 
 ≪第四幕≫ 
 
行進曲と合唱
 時は移ろい、ホセからエスカミーリョへと興味を移しているカルメン。
闘牛士たちがセヴィリアの闘牛場前の広場に人々が集まっています。闘牛試合に心躍らせ、彼らを迎える群衆たちの合唱が大にぎわいを伝え、闘牛場へ向かう群衆の行進が賑々しく登場するシーン。(本日の公演では子ども達への安全の配慮と多勢の合唱の稽古準備などを考慮し、児童合唱や助演の出演を省かせていただきました。)
 
フィナーレ
 闘牛士たちは場内へ向かい、広場に残るカルメンとホセ。よりを戻したいホセは全身全霊を込めカルメンに迫ります。ホセの想いを拒み、自分の生き様を貫こうとするカルメン
「わたしは人の言うことなんか聞かないわ。自由に生まれて、自由に死ぬのよ!」
ロマの定めともなるカルタで予知された自身人生〝死〟死の定めを覚悟したカルメンの渾身の叫び。カルメンが自分自身で選んだ人生。そのカルメンの肉体を鋭く貫くホセの刃。闘牛場から歓声の合唱が響きわたる中、オーケストラが〝運命のテーマ〟を奏で、自由を
愛し、自分に正直に生きたカルメンの人生のドラマの幕が下ります。
 
 
≪OPERA≫というと、何となく敷居が高く、その美味なるところもご存じなく敬遠なさる方が少なくないようですが、オペラ/歌劇は 16世紀終わりから17世紀にヨーロッパで生まれ、歌で物語を進めてゆくこの上なく贅沢な総合芸術です。文学・歴史・美術・照明・衣装・バレエ・オーケストラと人間の声が融合して出来上がるこの上なく日常的な舞台芸術であると言っても過言ではありません。(難解な神話物歴史物語もありますが、殆どがTVの昼ドラマの人間模様をテーマにした内容です)
本日の公演はダイジェスト版で作成された都合上、解釈を一部変更させていただいた部分がございますが、極シンプルな舞台でオペラの本質をしっかりとした骨組みで表現させていただきました。
 
〝自由〟という重要なキーワード。この〝自由〟とは、未だ収束せぬ新型コロナウイルスの脅威や制約ある生活を乗り越えた先の為に、今を生きる我々に呈された様々な意味を潜めた言葉であり、我々の意志的な力強い未来そのものと言えるかもしれません。
 
 
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