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第34回 いずみホール定期演奏会 7月10日(水)
豊嶋 泰嗣 (C)中倉壮志朗
林 七奈 photo:K.Miura

第34回いずみホール定期演奏会
豊嶋泰嗣の「四季」
 
2019年7月10日(水)
<昼の部>14時30分開演 <夜の部>19時00分開演
いずみホール
 

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)
ヴァイオリンと管弦楽のためのアダージョ ホ長調 K.261
 
 独奏ヴァイオリンがオーケストラと協奏する単独小品風の本作は、おそらく、ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調の緩徐楽章の差し替え用として書かれたものと推測されています。ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)には真作であることが判明している5曲のヴァイオリン協奏曲がありますが、それらはすべて前半生ザルツブルク時代の所産で、最終作第5番K.219は1775年に作曲されました。翌年、モーツァルトはザルツブルク宮廷楽団のヴァイオリニスト、ブルネッティの技巧や表現力によりふさわしい、もうひとつの第2楽章として本作を書いたものと考えられています。推測の有力根拠は、1777年9月23日にマンハイムとパリを主要目的地とする求職旅行に旅立ったモーツァルト宛てに、留守宅の父レオポルトが出した9月25日付、及び10月9日付の2通の手紙で、どちらにも「ブルネッティのためのアダージョ」という言葉が見られます。このことや調性、テンポなどからみて前述の推測がなされました。曲はオーケストラから柔和な主題が出されて始まり、4小節遅れでソロがこの主題を引き取ります。まもなく、3連音を含む半音階的な楽句が導入されて複雑な表情を帯び、第1部を終えます。オーケストラの間奏を挟んでロ短調の中間部、第1部の再現と進み、任意のカデンツァを経て結ばれます。
 
 
作曲年代 1776年の年末  ザルツブルク
初  演
不明
楽器編成
独奏ヴァイオリン、フルート2、ホルン2、弦5部
 
 
 
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)
2つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネ ハ長調 K.190
 
 大協奏曲と和訳されることもあるコンチェルトーネとは、シンフォニー・コンチェルタンテ(協奏交響曲)という概念と明確な区別のない、協奏曲と交響曲の中間的な性格の楽曲です。1770年代前半に北イタリアやオーストリアで隆盛を極めた曲種で、華やかな演奏効果に富んでいました。モーツァルトが遺したコンチェルトーネとしては本作が唯一の作品です。自筆譜には1774年5月31日の日付がありますが、1773年5月始めに着手したとする説もあります。いずれにせよ、10代の作品ながら充実した楽想にあふれた名作で、父レオポルトもこれを高く評価し、本人にとっても自信作でもあったようです。第1、第2楽章にはモーツァルト自身がカデンツァ(即興的独奏部分)を書いています。
 
第1楽章 : アレグロ・スピリトーソ、ハ長調、4/4拍子。2つのソロがユニゾンで溌溂とした主題を歌い出して始まり、その後は適宜役どころを入れ替え、掛け合い、呼応しながらオーケストラと魅惑的な協奏を繰り広げます。

第2楽章 : アンダンティーノ・グラツィオーソ、ヘ長調、3/4拍子。柔和な歌に満ちた緩徐楽章。中間部では短調に傾き深みのある楽想が紡がれます。

第3楽章 : テンポ・ディ・メヌエット、ヴィヴァーチェ、ハ長調、3/4拍子。メヌエットのテンポとリズムで書かれた明るく晴れやかなフィナーレ。2挺のヴァイオリン同士のシンコペーション・リズムを用いた掛け合いや、オーケストラのオーボエ、チェロとの歌い交わしが聴きどころです。
 
作曲年代 1774年5月31日  ザルツブルク
初  演
不明
楽器編成
独奏ヴァイオリン2、オーボエ2、ホルン2、トランペット2、弦5部
 
 
 
アントニオ・ヴィヴァルディ(1678-1741)
ヴァイオリン協奏曲集「四季」 作品8-1〜4
 
 国際的港湾都市ヴェネツィアに生まれたアントニオ・ヴィヴァルディ(1678-1741)は、父の手ほどきでヴァイオリンに親しんで育ち、長じて司祭となります。歓楽施設の多いこの町では捨て子問題が深刻化しており、教会では早くから附属捨て子養育院を設置していたので、ヴァイオリンの得意な司祭ヴィヴァルディは「ピエタ」という女子養育院の音楽教師となり、少女たちにヴァイオリンを教えました。そして、彼女たちに演奏させるため、あるいは貴人の求めに応じて膨大な数の作品を生みました。その大半は各種協奏曲で総数およそ500曲といわれます。もっとも有名なヴァイオリン協奏曲集《四季》は1725年に出版された12曲からなる合奏協奏曲集《和声と創意への試み》の冒頭の4曲です。各曲は季節ごとの自然と人間の営みを歌いあげたソネット(14行詩)を踏まえた描写的内容となっています。
 
ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 〈春〉
第1楽章 : アレグロ、ホ長調、4/4拍子。春の訪れを告げる明るい全合奏から開始され、小鳥たちの歌と泉のせせらぎの描写を経て、激しい春雷と稲妻が表現されます。
第2楽章 : ラルゴ、嬰ハ短調、3/4拍子。長閑でけだるい春の田園風景のもと、ヴァイオリンが木々の葉擦れの音を、断続的なヴィオラが犬の遠吠えを表現します。
第3楽章 : アレグロ、ホ長調、12/8拍子。軽快なシチリアーナ舞曲。晴れた春空の下でシチリアーナ舞曲にのって羊飼いや牧場の乙女たちが踊るようすが表現されます。

 
ヴァイオリン協奏曲 ト短調 〈夏〉
第1楽章 : アレグロ・ノン・モルト-アレグロ、ト短調、3/8拍子。人も家畜も暑さにあえぐ炎天下、カッコウ、山鳩、ヒワの鳴き声が響いたあと、激しい北風が吹き荒れます。後半は嵐の到来を予感した羊飼いの不安と嘆きです。
第2楽章 : アダージョ-プレスト-アダージョ、ト短調、4/4拍子。家畜に群がるハエに悩まされる羊飼いをソロが表現しています。ハエの羽音も聴こえます。
第3楽章:プレスト、ト短調、3/4拍子。羊飼いの不安は適中し、雷鳴が轟いて激しい嵐が到来しました。

 
ヴァイオリン協奏曲 ヘ長調 〈秋〉
第1楽章 : アレグロ、ヘ長調、4/4拍子。秋は収穫の季節。村人たちは祝宴を繰り広げ、酒に酔って足元がおぼつかなくなります。ソロのトリルは酔っ払いの千鳥足です。中間部の静寂を経て再び賑やかになります。
第2楽章 : アダージョ・モルト、ニ短調、3/4拍子。弱音器をつけた弦合奏が酔っ払いたちの眠りを静かに表現します。
第3楽章 : アレグロ、ヘ長調、3/8拍子。一転して勇ましい狩りの情景です。ソロが重音奏法でひとしきり角笛を模したのち、鉄砲の音、倒れる獲物、猟犬の声などが描写されます。

 
ヴァイオリン協奏曲 ヘ短調 〈冬〉
第1楽章 : アレグロ・ノン・モルト、ヘ短調、4/4拍子。凍てつく寒さに歯の根があわずガチガチと鳴るありさまを、ソロが重音のトレモロで描写します。
第2楽章 : ラルゴ、変ホ長調、4/4拍子。弦のピツィカートが戸外の冷たい雨を表し、穏やかな旋律が暖炉を囲む憩いのひとときを表現します。《四季》の全4曲中もっとも美しい楽章。
第3楽章 : アレグロ、ヘ短調、3/8拍子。前半は氷上を歩く人が滑って転倒するありさまや夏の猛暑への回顧が表現され、後半は春を先触れする南風と冬の北風との争いを描いて曲を結びます。
 
 
作曲年代 1720年頃、マントヴァ
初  演
不明
楽器編成
独奏ヴァイオリン、弦楽合奏、通奏低音
 
           
(C)萩谷由喜子(音楽評論家)(無断転載を禁じる)
 
 
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