“夏の夜の夢”
2019年5月18日(土)
昼の部13時30分開演/夜の部17時00分開演
今回の演奏会、注目は昨年の浜松国際ピアノコンクールの優勝者、ジャン・チャクムルさんの登場です。20歳という若さでこのコンクールの覇者となられたチャクムルさんが、今回選んだコンチェルトはなんとモーツァルト!しかも私も大好きなK.467ということで、テンションは上がるばかりです。
モーツァルトのピアノコンチェルトのいくつかは、第1楽章が明るく始まったとしても、第2楽章がすごく悲しい音楽だったりしますね。私たちはその対比を楽しむわけですが、ときにはずっと幸せな気持ちにひたっていたいこともある。そんな時に聴きたいのがこの曲です。第2楽章では、あの有名なメロディーに身をまかせて、心地よいひとときをお楽しみください。
夏の夜の夢は、17歳のメンデルスゾーンが書いた序曲から始まります。シェイクスピアの劇を見事に音楽にしている傑作です。これに続く大がかりな劇音楽を書いたのはメンデルスゾーン34歳の時。 38年の生涯を駆け抜けた天才の代表作です。
今回は、序曲を演奏した後に、劇音楽の中から、フルートの活躍する妖精たちの踊りスケルツォ、恋人を失うかもしれない恐れと悲しみを歌った間奏曲、すべては夢となるようにとホルンで奏でられるノクターン、そして3組の男女の結婚を同時に祝う、壮麗な結婚行進曲、以上5曲をお聴きいただきます。
夏の夜の夢の劇をご覧になった方もいらっしゃることでしょう。夏の夜の夢はシェイクスピアの作品の中でも特に愉しく、そして読みやすい戯曲だと思います。演奏会の前にさっと目を通しておくと、楽しさ2倍。どこでどの音楽が鳴るのかを調べてみると、楽しさ3倍です。
最後にひとつ問題を出しておきましょうか。この劇にはロバ(のようなもの)が出てきますが、メンデルスゾーンはちゃんとその鳴き声まで音にしています。さあどこに出てくるでしょうか?演奏会で見つけてください。
皆様にお会いできるのを楽しみに、ザ・シンフォニーホールでお待ちしております。
指揮:佐藤 俊太郎
佐藤俊太郎写真:(C)東昭年