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2019「定期」シェフからのメッセージ

 
 
第229回定期演奏会   5月10日(金)
外山 雄三
外山 雄三
外山 雄三

2019年5月10日(金)19時00分開演 ザ・シンフォニーホール
 
 
 これほど壮大な構想の音楽を、これほど緻密な形式と、ありとあらゆる技法を駆使して、比べものなく豊かな「交響曲」という形にしてしまったベートーヴェンという作曲家の、あまりの偉大さに、私たちは賛嘆して立ち竦むしかない。彼がここで書いた音楽は音楽史上、全く前例がないものであり、それは現代の言葉で言えば「前衛」の極致、とでも言えば良いのかもしれない。しかも、それは初演直後から圧倒的な支持を獲得しているが、オーケストラや歌手たちは、この作品が決して演奏しやすいものではないことも充分に理解している。それは、きっとベートーヴェンの特質を見極めた上で、この貴重な業績を私たち自身の手で次の世代に引き継いでいくことが、音楽家としての当然の責任であると考えているからであろう。この作品自体が持っている、このように強烈なメッセージは他には例がない。
 独唱者たちと合唱が演奏に参加するのは第4楽章だから、それまで舞台上で、じっと待っているのは声楽家にとっては過酷な状況だが、だからと言って途中で舞台に登場するのは−実は私は何度かそれを試みたことがあるが−演奏全体から見ると、非常に不自然で邪魔になる。独唱者たちと合唱団には、本当に申し訳ないと思うが、やはり、第1楽章から舞台上に居てもらうしか、他に方法はない。歌い手たちは演奏直前まで、様々な準備を整え、細心に発声練習をすることが必要である、と私も承知しているが「第9」に限っては、そうはいかないのである。つまり、この作品を演奏する全員が第1楽章の初めから演奏に「参加している」必要がある、同じ舞台上に居る必要がある、と私は考える。更に細かいことを言えば、ティンパニ以外の打楽器(トライアングル、シンバル、大太鼓)の奏者たちも同様である、第4楽章で登場するピッコロも例外ではない。
 そして何より、独唱、合唱とオーケストラが、現在自分たちが持っている力を存分に発揮して、お互いの長所を認めあい、助け合って、初めて「本当の第9」が誕生する。
 
大阪交響楽団 ミュージック・アドバイザー
外山 雄三
 
 
外山雄三写真 撮影:三浦興一
 
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