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2018「定期」シェフからのメッセージ

 
 
第226回定期演奏会    2月28日(木)
外山 雄三  撮影:三浦興一
外山 雄三  撮影:三浦興一
外山 雄三  撮影:三浦興一

2019年2月28日(木)19時00分開演
 
 モーツァルトの歌劇「後宮からの逃走」はトルコを舞台にした非常に明るく軽やかな内容だから、この序曲も快速調の主部はモーツァルトにしては珍しいほど打楽器の響きが印象的である。本当はもっと自由に書いてもらってもよかったのに、と贅沢な感想を持ったりするが、しっとりとした中間部は短いのに極めて美しく、改めてモーツァルトの溢れるような才能を実感する。何しろ、このような短時間に、こんなにも豊かな内容を表現できるのは、月並みだが「モーツァルトにしか成し得ない」としみじみ思わせられる。
 ハイドン、モーツァルトの直系の後継者であることを強く望んでいたベートーヴェンは、その偉大な先駆者たちの作品を詳細に分析研究し、その上に強烈な個性を開花させるのだが、この交響曲第1番は、何しろ「初めての交響曲」だから、慎重なベートーヴェンは、まるで交響曲のような作品を、これ以前にいくつも書いて、いわば「満を持して」これを「交響曲」と名付けたのである。しかし、その慎重さとは別に作品全体に和声も、リズムも、速度の変更も極めて大胆であり、革新的なアイディアに溢れている。
 例えば第4楽章冒頭の、ゆったりした短い序奏が自然に快速調に進むところなどは、將に天才が軽やかに羽ばたくような、しかも、がっしりと強固な形式を予感させる、前例のない音楽である。子供の頃、この第4楽章冒頭の部分をピアノの片手で弾くテキストがあって、それが何故か、難しいのにとても面白かった記憶がある。何しろ、意欲に溢れた若きベートーヴェンが、先人たちが手をつけていない新しい世界を切り開こうとした、その「いきおい」が、私のような子供にも伝わったのだと思う。それは、極めて斬新なその冒頭部分だけではなく、楽章全体を突き動かすエネルギーとして私たちを興奮させる。そのようなエネルギーの持続はベートーヴェンという作家の、他には例のない特徴のひとつであって、だから私たちは、それをどのように表現すべきかを常に探求しなければならない。そして、そのエネルギーを豊かな演奏として実現するために力を尽くさなければならない。ベートーヴェンという作者は、いわば私たちの「永遠の課題」なのである。
 
 
大阪交響楽団 ミュージック・アドバイザー 
外山雄三
 
 
外山雄三写真 撮影:三浦興一
 
 
 
 
 
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