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インタビュー 奥本 華菜子(フルート奏者)
2021-01-27
— このオーケストラに入られて、12年ということになります。
 
ずっと新米気分で先輩方を追いかけながらの日々でしたが、気付くとここ数年は次々と新入団員が増え、そちらからも刺激をうけています。いまだに模索してばかりですが、少しはまわりが見えるようになってきた気がします。
 
— フルートを始めたきっかけは何だったのですか?
 
小6の頃、何か習い事がしたいと思い「ヴァイオリンがやってみたい!」と親に言ってみたら、家に初心者用のフルートがあって、「そっちにしなさい」と言われたのがきっかけです。中学では吹奏楽にどっぷり浸かり、高校は地元の音楽高校に行きました。当時はフルートで学校に進学できるならという甘い考えもあり、将来の厳しさはまだ何もわかっていませんでした。
 
— プロになる意識は、どの段階から芽生えましたか?
 
音楽大学に入り、3年生の時から師事した広島交響楽団の中村めぐみ先生との出会いは大きな転機でした。演奏面はもちろん、心の持ち方、努力の大切さなど手取り足取り教えていただき、とても感謝しています。私自身内気で受身な性格もあり、音大に入っておきながら「フルートを仕事にしたい」とも言えない状態でしたが、もっと努力してオーケストラに入りたい!と思えるようになりました。
 
—音楽大学を卒業して、どうしましたか?
 
「あなたは、のほほんとして全然まわりが見えてないね。音楽を職業にしようとしている人達がどんなことをしているのか知るべきだよ」と先生の助言もあり、ドイツのワイマールの音大に3年間留学しました。全てが貴重な経験でした。「意見がないことが恥ずかしい」という環境の中で、人に自分の考えを言える心地よさも感じました。
 
— 帰国後はどうしましたか?
 
1年ぐらいアルバイトしながら、オーディションを受ける生活でした。オーケストラ経験は、留学中にイエナ・フィルハーモニー管弦楽団というところで学生を使う契約で吹いていたのと、地元の広響で何度かエキストラに行かせてもらった程度で、大阪シンフォニカー交響楽団(当時)は、オーディションを受けてからが初めてです。
 
— 入団されていかがでしたか?
 
経験豊富な団員達の中に、いよいよ1人で飛び込んでいかなくてはという緊張感が凄かったです。ソロとは違い、表現や強弱など自分の中だけで調節できるものではありませんから、バランス調節は特に難しいと感じます。それに、フルートの下のパートを吹くのとピッコロとでは役割が違うので試行錯誤の毎日です。
 
— フルートの2番奏者の役割って何でしょうか。ピッコロも担当されるわけですが。
 
1stの小林さんが気持ちよく吹けることが一番で、いつも安定した存在でありたいです。それでいて、自分が出るべきタイミングをしっかりつかめたらいいなと思っています。ピッコロの吹き心地は、自分に合っているような気がしています。「第九」やショスタコーヴィチ 、新春の「ポルカ」など、音楽を引き締めたり、迫力も付きます。
 
— オーケストラでフルートを吹いていて良かったと思える瞬間、そして印象に残る出来事を教えてください。
 
オーケストラ全体がまとまって、みんなの気持ちが同じように高まったと感じた時ですね。そして、外山雄三先生のリハーサルで受けた厳しい指摘の一言は、それを数ヶ月考え続けるほど重くて、忘れられないことが多いです。
 
— これからの夢を教えてください。
 
今、育児と仕事を両立しているので自ら演奏会を企画することがなかなか難しいのですが、そういったことにもチャレンジしていけたらと思っています。
 
 
 
 
 
奥本華菜子写真(C)飯島 隆
 
聞き手/小味渕彦之(音楽学・音楽評論)
 
~プログラムマガジン2020年度1・2月号掲載~
 
 
 
 
 
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