2016年9月21日(水)
昼の部14時30分開演/夜の部19時00分開演
モーツァルトのこのディヴェルティメントは、16歳のモーツァルトによる傑作です。私が十代の頃、友達や家族で一緒に演奏した、思い出深い曲です。親しみやすいメロディーの中に、時折とても崇高な気持ちが顔を出します。モーツァルトってやっぱりすごいと感じます。
ヴァイオリニストを目指す人なら必ず弾くメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。はかなくも哀しいメロディの第一楽章、うたがどこまでも続いていくような第二楽章、軽やかにおどるような第三楽章。夢のように美しい曲です。メンデルスゾーンがこの曲を書いた35歳という年齢を超えて、私は最近になってこの曲の味わいを、今までとは違ったように、より深く感じるようになってきました。皆様はいかがでしょうか。
ベートーヴェンの第5交響曲は、ベートーヴェン37歳の時の創作だそうです。これほどたくさん演奏されている曲もないように思われます。この曲の楽しみ方のひとつは、第一楽章のはじめから第四楽章のおわりまでを、大きな長い流れとしてきくことだと思います。ジャジャジャジャーン、だけが凄いわけではなくて、そこからどのように変わってゆくか、というようなことに身を任せてみては。
ところで、『運命』という呼び名、日本だけのものなのでしょうか。ヨーロッパ各地に20年住んでいましたが、見たことがありません。音楽家同士の会話の中でも、『ベートーヴェンの5番』と呼んでいます。ニックネームがついていると、そのイメージにとらわれてしまいがちです。今日は『ベートーヴェンの5番』としてきいてみませんか。
佐藤 俊太郎