大阪交響楽団 曲目解説 名曲コンサート 2015年度

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2015年度 名曲コンサート 曲目解説

 
 
第90回名曲コンサート   2月28日(日)
児玉 宏
須川 展也

 
珍しい楽器の協奏曲シリーズ “サクソフォン”
 
2016年2月28日(日)
 
昼の部 13時30分/夜の部 17時00分 開演 
 
 
ロッシーニ:歌劇「絹のはしご」序曲

「絹のはしご」とは、何とも優雅な題名ですね。でも実はこれ、男女の密かな逢瀬を助ける“アイテム”なのです。このオペラは、父親代わりの後見人に内緒で、恋人ドルヴィルと結婚した娘ジューリアを巡るドタバタ劇。彼女が夫を自室へ招き入れるのに使うのが、絹で作ったはしご、なのです。序曲の冒頭、弦が奏でる上昇音型は、まさに、するりするりとはしごを中庭へおろすさま。ここへ連なる数々のアリアの魅惑的な旋律にも、心奪われます。「僕の音楽は、いつもながら美しい」。1812年5月の初演の直前、作曲者であるジョアキーノ・ロッシーニ(1792~1868)は、母親宛ての手紙で綴りましたが、それは決して自意識過剰ではない、とお分かりいただけましょう。


グラズノフ:アルトサクソフォンと弦楽のための協奏曲 変ホ長調

「珍しい楽器の協奏曲」シリーズの掉尾を飾るのは、サクソフォンです。ベルギーの管楽器製作者アドルフ・サックスが、1840年代に発明。吹奏楽やジャズの印象も強いですが、ビゼー「アルルの女」やラヴェル「ボレロ」の例を挙げるまでもなく、官能的な音色と豊かな表現力は、クラシックでも存在感を放ちます。ロシアの作曲家アレクサンドル・グラズノフ(1865~1936)が、北欧の名手のために素敵な協奏曲を書いたのは、1935年頃。単一楽章ながら「急-緩-急」の3部分からなり、まずは弦楽合奏からアルト・サクソフォンが、晴れやかな第1主題を受け継いで始まります。そこへ情熱的な第2主題が絡み合い、様々に色彩を変えて展開。わが国を代表するサクソフォニスト、須川展也さんのたおやかな音色で、味わいましょう。


ロッシーニ:歌劇「シンデレラ」序曲

多くの方にとって、「シンデレラ」はディズニー・アニメのイメージでしょう。でも、ロッシーニが1817年に作曲したオペラは、筋が少し違います。主人公チェレネントラ(「シンデレラ」のイタリア名)は、魔法使いならぬ哲学者によって城へ導かれ、ガラスの靴ではなく腕輪で幸せに。ファンファーレで幕開けを告げる序曲は、主人公の可愛らしさと劇的な筋運びを象徴する序奏に、ハッピーエンドへの期待感を盛り上げるリズミカルな主部が続きます。


ベートーヴェン:交響曲 第4番 変ロ長調 作品60

「2つの巨人に挟まれた、ギリシャの乙女」。強烈な個性を持つ作品が揃うルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの交響曲にあると、どうしても地味な印象を拭えない第4番を、ロベルト・シューマンはこう称えました。ピアノ協奏曲第4番やヴァイオリン協奏曲などの佳品が生みだされた、1806年に作曲。最も均整の取れた作品である一方、スピード感や爆発力も秘める楽想を、「巨人が軽々と体操をこなすよう」と評した別の作曲家もいました。
幻想的で重々しい雰囲気の序奏でスタートする第1楽章。しかし、主部は一転して躍動感にあふれ、跳ね回るような第1主題と饒舌な第2主題が絡み合う。付点リズムの歩みの上を、ゆったりした旋律が優雅に滑る第2楽章。粗野な雰囲気の第3楽章スケルツォには、ユーモアを伴うトリオが挟まります。そして、丁々発止のやり取りがスリリングな最終楽章。特に、終結部近くに現れる、ファゴットに超絶技巧を強いるソロ部分は“難所”として知られています。 
 

 

(C) 寺西 肇(音楽ジャーナリスト)(無断転載を禁ずる)

 
 
 
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