大阪交響楽団 曲目解説 名曲コンサート 2015年度

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2015年度 名曲コンサート 曲目解説

 
 
第86回名曲コンサート   4月25日(土)
寺岡 清高
文屋 充徳

 
珍しい楽器の協奏曲シリーズ “コントラバス”
 
2015年4月25日(土)
昼の部 13時30分/夜の部 17時00分 開演 
 

 

 

ベートーヴェン:序曲「コリオラン」ハ短調 作品62

 

 ローマの将軍コリオラヌスは、国のために数々の武勲をたてたにもかかわらず、不当に扱われ、遂には追放の憂き目に。怒りに震えた彼は敵方と手を結び、ローマを包囲。市民たちは、残っていたコリオラヌスの家族に嘆願させて、包囲を解かせますが、市民は彼に感謝するどころか、逆に刑罰を与え、コリオラヌスは失意のもと、壮絶な最期を迎えます。

 

 シェイクスピアの戯曲によって、よく知られている悲劇。同じ物語に基づき、友人の詩人ハインリヒ・フォン・コリン(17711811)が書いた戯曲に感激したルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(17701827)は、オペラのためではなく、「演奏会用序曲」として、2年後にこの曲を完成させました。衝撃的な和音のアタックの繰り返しで開始され、不気味な動機が次第に熱を帯び、再び和音が回帰し、悲壮の余韻を残します。フレーズの執拗な反復など、同時期に書かれた交響曲第5番《運命》との共通点も、聴いて取れましょう。

 

 

シュペルガー:コントラバス協奏曲 第15番 ニ長調(日本初演)

 

 「珍しい楽器の協奏曲」シリーズの第1弾の主役は、コントラバス。オーケストラでは普段、大柄な体をすくめるように、一番隅っこに位置しています。しかし、一方で、そのサウンドに不可欠な低音を担当する、「縁の下の力持ち」。そして、オケの弦楽器では唯一、ヴァイオリン属ではなく、ガンバ属の末裔という“出自の秘密”も。そんなコントラバスが、名手・文屋充徳さんの熱演で、ソロ楽器としての知られざる魅力を発揮します。

 ヨハネス・マティアス・シュペルガー(17501812)は、現在のチェコ東部、モラヴィア出身のオーストリアの作曲家。多くの交響曲や協奏曲を発表する一方、コントラバスのヴィルトゥオーゾとして知られ、ウィーン周辺の宮廷楽団などで活躍し、コントラバス協奏曲は18曲を残しています。その中で最もよく知られる第15番は、ヨーロッパでは折に触れて演奏機会はあるものの、このステージが日本初演。祝祭的な雰囲気に溢れた両端楽章に深刻な面持ちの緩徐楽章が挟まれ、重音やフラジオレットなど、ヴァイオリン並みの超絶技巧と、美しい旋律で彩られています。

 

 

ブラームス:交響曲 第1番 ハ短調 作品68 

 

 「私も、交響曲を書いてみたい」。ヨハネス・ブラームス(183397)が思い立ったのは、22歳の時。しかし一方で、ベートーヴェンの交響曲に理想を見ていた彼は、「匹敵する作品でなければ、書く価値はない」とも考えていました。このため、書いては破棄し、また最初から書き直すような作業の繰り返しに。第1作を完成させた時には、21年の歳月が流れていました。そして、1876年の初演は大成功。当時の大指揮者ハンス・フォン・ビューロー(183094)は「これは、ベートーヴェンの交響曲第10番だ」と絶賛しました。 

 ティンパニの連打で導かれる、第1楽章の序奏部にはバッハ「マタイ受難曲」冒頭のイメージを重ねる指揮者もいます。そして、続く主部でも、厳しい表情は崩そうとはしません。しかし、第2楽章は一転、ヴァイオリンのソロを伴って、優しくロマンティックな表情に。第3楽章も、クラリネットが牧歌的な雰囲気を醸し出します。だが、最終楽章では再び、嵐が吹き荒ぶよう。そこへ、アルペン・ホルンの堂々と鳴り渡る旋律が光明をもたらし、曲は一気に勝利の響きへと突き進んでゆきます。

  

 

                                 (C) 寺西 肇(音楽ジャーナリスト)(無断転載を禁ずる)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
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