大阪交響楽団 2015年度 シェフからのメッセージ

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2015年度 シェフからのメッセージ

 
 
第200回記念定期演奏会 2月24日(水)
児玉 宏
児玉 宏
児玉 宏

≪軌跡②~息子と父~≫

2016年2月24日(水)19時00分開演

 

今回は、2015年9月の第196回定期演奏会と対になる形で、「軌跡②」というタイトルの元に、鬼才ワーグナーと、その息子ジークフリートの作品を演奏いたします。

楽劇創始者を父に、交響詩の創始者を祖父に持つという奇遇な環境に生まれたジークフリートは、自作台本に作曲したオペラ17本、交響曲・交響詩・ヴァイオリン協奏曲など広い分野に亘る作品を残しましたが、「ワーグナー家の天才はリヒャルトだけ」という母コジマの傲慢な政策から、現在でも、バイロイトでの作品上演が禁止されています。

2009年6月の演奏会をお聴きになった方は直ぐに思い出されると思いますが、個性的な和声進行や音楽的発展によって作品が醸し出す独特の雰囲気は、様々な価値観や理念が交錯する20世紀初頭のヨーロッパの中で「自ら の存在意義」を模索する作曲家自身の内面を映し出しているように思います。


25年以上の歳月をかけて自作台本に作曲し、四夜に亘って上演される楽劇「ニーベルングの指環」を、純管弦楽作品として一回の演奏会で演奏出来るように編纂するという試みは、過去にも数多くあり、奇を衒った企画ではありません。

 音楽的時間軸を変えない( 音楽の順番を変更しない)、ワーグナー自身が書いた音符を変更しない( 管弦楽法を変更しない)、 演奏される部分で歌手がいないために歌われない歌詞だけを読んでもドラマとして辻褄が合うこと- を前提に選択された音楽は、耳に馴染みやすく、派手で聴衆が喜ぶ効果的な部分だけを取り出して切り貼りしたものではありません。

「神々の黄昏」最終幕に再登場する「ラインの乙女」指示動機をドラマの必然性を提示するために取り込むことや、「ブリュンヒルデの目覚め」「ジークフリートへの最後の別れ」「ブリュンヒルデの自己犠牲」を時間軸の中で関連つけることなど、数多く存在する選択の可能性から一つの形を定着させていく作業は、「作品解釈」と深い関係を持つ、楽しい作業だった記憶があります。

今回演奏する版は、編纂に約2年半の時間をかけ、2004年2月に東京フィルハーモニー交響楽団と初演したものを、細部に亘って音楽的バランスを再考慮した「第二版」です。  鬼才ワーグナーの管弦楽の冥利を、心からお楽しみ下さい。


                                    大阪交響楽団 音楽監督・首席指揮者児玉 宏

 

 

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