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2014年度 名曲コンサート 曲目解説

 
 
第84回名曲コンサート   12月6日(土)
寺岡 清高
三代澤 康司

“お菓子の家でクリスマス”
2014年12月6日(土)
昼の部 13時30分/夜の部 17時00分 開演
 
歌と音のクリスマス・プレゼント
 
 毎年クリスマスが近づくと、ウィーンの子供たちは、大人も顔負けのドレスアップをして、オペラハウスへと向かいます。そして、この時期ばかりは、オペラハウスは小さな紳士・淑女の社交場に。彼らが何を楽しみにやって来るかと言えば、それはオペラ「ヘンゼルとグレーテル」の舞台。オペラハウス側も、魔法使いを宙に飛ばすなど、あの手この手の演出で、お客さんを喜ばせようと躍起になります。エンゲルベルト・フンパーディンク(1854~1921)が作曲したこのオペラは、リヒャルト・シュトラウスの指揮により、1893年にヴァイマールで初演。以来、ドイツ語圏を中心に世界中で愛され、今も上演回数の多いオペラのひとつとしても知られています。
 「兄さん、家庭向けのオペラを書いてくれないかしら。題材は…そう、グリム兄弟の『ヘンゼルとグレーテル』がいいわね。私が、台本を書くから」。妹のアーデルハイド・ヴィッテから頼まれたフンパーディンク。軽い気持ちで取り掛かった彼は、聴き馴染みのある童謡の旋律なども採り入れる一方、出来上がった曲を自分の婚約者にクリスマス・プレゼントとして贈るなど、大いに作曲を楽しみます。しかし仕上った作品は、しっかりしたオーケストレーションが施された、見事なものでした。そして、初めて上演されたのは、クリスマスの前々日のこと。結局、世界中の音楽ファンへの大きなクリスマス・プレゼントにもなったのです。
 フンパーディンクは、ワーグナーの助手を務めた経験もあり、その息子ジークフリートに作曲を教えるなど、当時の最先端の技法にも長けた優れた音楽家でした。しかし、この作品では、子供たちにも存分に楽しんでもらえるように、平易で親しみやすい旋律で全篇をいっぱいに満たし、鳥の鳴き声を歌で真似させるなど、音楽的な遊びも随所に忍ばせました。一方で、いかにもメルヘンの物語が始まりそうな序曲にも、ワーグナー的な半音階の主題が登場するなど、音楽的な骨太さも併せ持ち、音楽に精通した人にとっても、聴き応えのある作品に仕上がっています。
 
 おや、そろそろ幕が開くようです。物語の舞台は「むかーし、むかしのドイツ」。お留守番の間に言いつけられていたお手伝いをサボってしまった兄のヘンゼルと妹のグレーテル。ゲルトルート母さんに叱られて、今度は森へイチゴを摘みに行くよう、命じられます。最初に2人が歌う「Suse,liebe Suse(ねんねんころり)」の旋律、日本では「お星が光るぴかぴか」として知られていますね。しかし、帰宅したペーター父さんは、子供たちがまだ森から戻らないと聞いて心配します。そして、両親は慌てて、2人を探しにゆきます。なにせ、森には「お菓子の家に住む、恐ろしい魔法使いがいる」というのですから…。
果たして、ヘンゼルとグレーテルの運命は? ここからのナビゲートは、三代澤康司さんの名調子にお任せすることにいたしましょう。寺岡清高さんと大阪交響楽団、関西が誇る実力派ソリスト陣、堺の子供たちの合唱団からの、一足早いクリスマス・プレゼントをどうぞお受け取りください。
 

 

(C) 寺西 肇(音楽ジャーナリスト)(無断転載を禁ずる)

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