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2014年度 名曲コンサート 曲目解説

 
 
第82回名曲コンサート   8月23日(土)
シズオ・Z・クワハラ
シャンドル・ヤボルカイ

 
“真夏のオルガン!”
2014年8月23日(土)
昼の部 13時30分/夜の部 17時00分 開演
 
 
ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」作品9
  
 ルイ・エクトル・ベルリオーズ(1803~69)は1838年、イタリア・ルネサンス期の彫刻家ベンヴェヌート・チェッリーニの生きざまを描く2幕のオペラを発表したものの、失敗に終わりました。しかし、愛着さめやらぬ作曲家は、オペラからアリアと謝肉祭の場面の旋律を抜き出し、演奏会用序曲「ローマの謝肉祭」として編み直しました。そして今や、彼の作品中でも、最も頻繁に取り上げられるもののひとつに。浮き立つ気分を表すような謝肉祭の主題による序奏に続き、情感を湛えたアリアの愛の調べが変奏された後、再び祭りの熱狂が蘇ってきます。
 
 
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35

 「オーケストラ!」(ラデュ・ミヘイレアニュ監督)というフランス映画をご覧になりましたか。かつて共産主義政権下のモスクワで、ユダヤ人であることを理由に一流楽団の首席指揮者の地位を追われた清掃員の男が、かつての仲間を集め、有名楽団の名を騙ってパリ公演へと乗り込み、大成功を収める――というストーリー。その指揮者と、ソリストを務めるパリ在住の女性ヴァイオリニストとの間には、大きな秘密があるのですが、そこで重要な鍵を握るのが、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840~93)の名協奏曲でした。
 絶大な人気を誇る“名曲中の名曲”は、1878年に作曲されました。スイスの保養地クラランで、友人のヴァイオリニストが携えて来たラロの「スペイン交響曲」に触発され、わずか1カ月で書き上げました。しかし、献呈先に想定していた当時の名ヴァイオリニスト、レオポルド・アウアーは「演奏不可能」として拒絶、3年後に実現したウィーンでの初演も不評に。しかし、再演を重ねるうちに、真価が認められ、遂にはアウアーも演奏するようになりました。歌心と超絶技巧が同居する第1楽章、特有の哀愁を湛えた第2楽章、続けて演奏され、ロシアの民俗舞曲トレパークでソロが駆け抜ける最終楽章。バランスも素晴らしい佳品を、ヤボルカイさんのしなやかな音色で堪能しましょう。
 
 
サン=サーンス:交響曲 第3番 ハ短調「オルガン付」 作品78
 
 多彩で迫力ある音色で、“楽器の女王”と称されるパイプオルガン。フランス近代の作曲家、カミーユ・サン=サーンス(1835~1921)は51歳の時、ロンドンのフィルハーモニック協会から作品の委嘱を受けた際、この楽器を使おうと思い立ちます。思えば、彼が敬愛するリストも「ファウスト交響曲」で、オルガンを併用して響きを増強する試みを行いました。サン=サーンスは、時にひとつのパート、時にオーケストラ全体と対峙する存在として、巧みにオルガンを扱い、全2楽章からなる特異な構成による、渾身の作品を完成。1886年5月の初演から2ヵ月後、世を去ったリストに捧げました。
 全曲を通して、古来のコラール(賛美歌)をベースとした半音階の旋律が支配。いわゆる「循環形式」をとります。第1楽章の前半では弦楽器のさざめき、透明感あふれる後半部では、装飾音型の彼方に。そして、熱い血潮のたぎる第2楽章の前半でも断片としてそこここに顔を覗かせ、後半部では、勝利の喜びに満ちて謳い上げられたかと思えば、次にはフーガ主題にと、共通する主題は変幻自在に姿を変えながら、畳みかけるようにコーダへとなだれ込んでゆく。これぞ響きの熱狂、と申せましょう。
 
 

(C) 寺西 肇(音楽ジャーナリスト)(無断転載を禁ずる)

 

 

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