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2013年度 名曲コンサート 曲目解説

 
 
第78回名曲コンサート   9月8日(日)
高橋 直史
小山 裕幾

≪ライン≫
2013年9月8日(日)
昼の部 13時30分/夜の部 17時00分 開演 

 

シューマン:歌劇「ゲノヴェーヴァ」序曲 作品81
 ロベルト・シューマン(1810~56)が遺した唯一のオペラで、1850年に初演された「ゲノヴェーヴァ」は、中世ヨーロッパに実在したブラバント公国が舞台。遠征へと出かけたジークフリート伯は、妻ゲノヴェーヴァに横恋慕する友人ゴローの姦計に陥り、妻の不貞を疑いますが、最後には無実が証明されて大団円へ。その序曲は、「緩やかに」と指示された荘厳な序奏部に、劇的で情熱的な主部が続き、夫妻が信頼を取り戻す場となる狩りのシーンを象徴する、角笛の旋律が鍵となって展開してゆきます。

 

モーツァルト:フルート協奏曲 第2番 ニ長調 K.314
 「嫌いな楽器のために書かねばならない時、僕はすぐ、気が乗らなくなるんです」。1778年にマンハイムに滞在していたヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756~91)は、アマチュア音楽家から「フルート協奏曲3曲と、フルート四重奏曲2曲」を受注しましたが、結果的に納入できたのは2つの協奏曲と3つの四重奏曲。報酬が一部しか得られず、父親から叱責されて、手紙で冒頭のような言い訳をしました。しかし、この頃、彼はある女性に“お熱”の真っ最中。作曲に身が入らないのを、楽器のせいにしただけかも。実は、この協奏曲第2番は、旧作のオーボエ協奏曲を移調して間に合わせたことも判明。しかし、天駆けるアレグロ、滋味溢れるアダージョ、鳥の囀りのようなロンドとも、いかにもフルートの音色がぴったり。まるで当初から、この楽器のために書かれたかのようですね。

 

ボルヌ:カルメン幻想曲
ジョルジュ・ビゼー(1838~75)が1875年に発表した名作オペラ「カルメン」。劇中に登場する魅力的な旋律は、多くのヴィルトゥオーゾからも愛され、華麗な技巧を施した多くの「カルメン幻想曲」が生み出されました。フランスのフルーティスト、フランソワ・ボルヌ(1840~1920)による当曲もそのひとつ。ボルヌは自ら開発した新式のフルートの性能をデモンストレーションするため、この曲を編みました。「カルメン登場の音楽」に始まる幻想曲は、第4幕のアリア「カルメン、まだお前が好きだ」や「運命の動機」を挟んで、第1幕のアリア「行ってきておくれ、セビリアの街へ」「ハバネラ」、第2幕の「ジプシーの歌」「闘牛士の歌」へと連なってゆきます。

 

シューマン:交響曲 第3番 変ホ長調「ライン」作品97
 総延長1200キロ余り、6か国をまたがって流れるライン川は、多くのヨーロッパ人にとって“心の拠り所”です。そして、この雄大な風景に触発され、文学や絵画、音楽など多くの芸術が生まれています。シューマンはライン地方へ移住した1850年、その印象やケルン大聖堂からインスピレーションを受け、この交響曲を書きました。「いきいきと」と指示され、ホルンの音色が印象的な冒頭楽章に、牧歌的な雰囲気の第2楽章スケルツォ、「急ぐな」との指示がある穏やかな第3楽章、大聖堂での儀式の様子を描写した第4楽章「荘厳に」、ファンファーレが祝祭的な気分を盛り上げる最終楽章が続き、全曲を通して生気に満ち溢れています。わずか4年後に精神を病み、このライン川に身を投じることになろうとは、誰よりも作曲家当人が、思いもよらなかったに違いありません。

(C) 寺西 肇(音楽ジャーナリスト)(無断転載を禁ずる)

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