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2013年度 名曲コンサート 曲目解説

 
 
第76回名曲コンサート   4月21日(日)
瀬山 智博
橋本 杏奈

≪田園≫
2014年4月21日(日)
昼の部 13時30分/夜の部 17時00分 開演 
 

ベートーヴェン:序曲「コリオラン」作品62
 ベートーヴェンの厳しさと激情の極みとも申せましょう。この作品は、後に聴いていただく交響曲第6番「田園」や、交響曲第5番「運命」とほぼ同時期となる、1807年に完成。「コリオラン」とは古代ローマの英雄コリオラヌスを指し、激動の人生の果て、悲壮な最期を遂げました。宮廷秘書官でもあった友人の劇作家ハインリヒ・ヨーゼフ・フォン・コリン(1772~1811)が書いた同名戯曲を観て触発されたベートーヴェンが、この佳品を一気に書き上げたとされています。嵐のように叩きつけるフォルティッシモとゲネラルパウゼ(全休止)、不気味な弦楽器の動きが、実に印象的。当時は戯曲の上演前にもオペラと同様、序曲が演奏される習慣はありましたが、コリンの戯曲と共に演奏された記録は残っていないため、ベートーヴェンは当初から、演奏会用序曲として構想したとみられます。

 

モーツァルト:クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
 名曲誕生の裏には、しばしば名演奏家の存在があります。この作品も、ウィーン宮廷楽団の名手アントン・シュタードラー(1753~1812)のため、1791年に作曲されました。この曲は本来、彼が愛用していた、普通のクラリネットよりも低い音が出せる「バセット・クラリネット」のために書かれましたが、出版に際して、フレーズの一部を1オクターヴ上げるなど、一般的な楽器で演奏できるよう編曲されました。今やバセット・クラリネットが珍品の楽器になってしまったことを思えば、今この作品が名協奏曲に数えられている理由には、曲の魅力のみならず、この出版時の“好判断”も挙げられるかも。
第1楽章は長い序奏に続いて、おもむろにソロが登場。華麗に旋律を縫い取ったかと思えば、時にオーケストラの伴奏にも回ります。そして、やはり名曲に数えられる「クラリネット五重奏曲」の第2楽章と似た雰囲気を持ち、ソロが息の長い主題をじっくり聴かせる中間楽章。最終楽章では楽しげに飛び跳ねるソロが、常に主導権をとって展開します。

 

ベートーヴェン:交響曲第6番へ長調「田園」作品68
 ウィーン郊外のハイリゲンシュタットには、「田園」の作曲当時にベートーヴェンが滞在した家や、構想を練ったとされる散歩道が今も残ります。もっとも、今は住宅街の小径に過ぎず、かつての鬱蒼とした森の面影はありませんが…。この不朽の名曲は、1808年に完成。30代半ばを過ぎた作曲家は、標題音楽や変則的な5楽章構成をとり、交響曲では用いられなかったトロンボーンを使用するなど、この曲へ独創的なアイデアを盛り込みました。
第1楽章には「田舎に到着すると呼び起こされる、楽しく大らかな気持ち」、第2楽章には「小川の畔の情景」。そして、第3楽章は「農民たちの愉しき集い」、第4楽章に「雷雨、嵐」、さらに「牧人の歌。嵐の後の嬉しく、感謝に満ちた気持ち」との最終楽章まで、各楽章には標題が添えられています。しかし、単なる“音の絵”でないことは、初演の際に作曲者自身が「絵画と言うより、むしろ感情を表現した」と記したことからも明らかです。さて、あなたはこの作品から、一体何を読み取るでしょうか。

(C) 寺西 肇(音楽ジャーナリスト)(無断転載を禁ずる)

 
 
 
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