01010131
 

2013年度

 

2013年度 名曲コンサート 公演批評

2013年度 名曲コンサート 公演批評
 
第78回名曲コンサート
第78回 名曲コンサート
第78回 名曲コンサート
第78回 名曲コンサート

≪ライン≫
2013年9月8日(日)13時30分/17時00分開演
ザ・シンフォニーホール
 
 指揮の高橋直史は東京芸大から、ドイツのミュンヘンに留学、現在はザクセン州のエルツゲビルゲ歌劇場の音楽総監督を務めている。いわゆるコンクールの華やかな入賞歴もなく、劇場の現場でコツコツと叩き上げて来た、職人肌の苦労人とみた。その彼の描き出すシューマンの歌劇「ゲノヴェーヴァ」序曲や、交響曲第3番「ライン」には、鬱蒼としたドイツの森を思わせる、ずしりとした重みが感じられた。いかにもドイツ・ロマン派らしい、奥行きのある情感豊かなサウンドが、どこまでも魅力的に響く。だからといって決して重苦しい音楽ではなく、管弦のバランスに行き届いた配慮が窺え、明晰さも十分に確保されている。それが高橋の現代人としての、知性というものだろう。シューマンの管弦楽曲の中でも、「ゲノヴェーヴァ」はまとめにくい作品に属するが、これだけすっきりと分かり易く仕上げた、指揮者の努力と力量には敬意を表して置きたい。また高橋の棒に敏捷に反応して、緻密でかつ堂々としたアンサンブルを展開した、大阪響のフレクシビリティも称賛されてしかるべきだろう。
 また協奏曲としては、モーツァルトのフルート協奏曲第2番と、ボルヌの「カルメン」幻想曲も演奏されたが、こちらのソロはスイスのバーゼルで研鑚中の小山裕幾が担当した。彼は既に神戸国際フルート・コンクールの優勝者らしく、安定したテクニックと正確なイントネーションの持ち主で、これら2曲を危なげなく好演したといえる。取り分けモーツァルトは、古典的な格調の高ささえ感じさせ、弦楽器を刈り込んだオケの透明な合奏とともに、将来の大成を期待させる可能性を窺わせていた。ボルヌの幻想曲も技術的には破たんのない、優れた演奏と評価出来るが、やや生真面目さが表立ったきらいがあり、もう少し遊びの精神というか、ソロイストとしての華のようなものが加わると、鬼に金棒といったところ。ここでの高橋の指揮は、オペラハウスでの経験が生かされてか、極めて柔軟なバックを提供して申し分なかった。
(C)出谷 啓
公益社団法人大阪交響楽団
Osaka Symphony Orchestra
〒590-0074
大阪府堺市堺区
北花田口町3-1-15 東洋ビル4F
TEL:072-226-5533
FAX:072-226-5544
 
 
四国支局
〒790-0051
愛媛県松山市生石町
649-11-402
TEL:089-947-4751
FAX:089-934-3577
 
 
201309301658395847.jpg
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
<<公益社団法人大阪交響楽団>> 〒590-0074 大阪府堺市堺区北花田口町3-1-15 東洋ビル4F TEL:072-226-5533 FAX:072-226-5544