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2013年度

 

2013年度 名曲コンサート 公演批評

2013年度 名曲コンサート 公演批評
 
第76回名曲コンサート
第76回 名曲コンサート
第76回 名曲コンサート
第76回 名曲コンサート

≪田園≫
2013年4月21日(日)13時30分/17時00分開演
ザ・シンフォニーホール
 
 本年度の名曲コンサートは、ヨーロッパに在住して世界を股にかけて活躍する、日本人指揮者と演奏家にスポットを当てて編成されているようだ。その第1回の今回は、1979年大阪生まれで、現在ウィーンを本拠とする瀬山智博の指揮で、ベートーヴェンの序曲「コリオラン」、モーツァルトのクラリネット協奏曲、それにベートーヴェンの交響曲第6番「田園」が演奏された。なおクラリネット独奏には、1989年生まれでロンドン在住の橋本杏奈が起用されていた。彼女は現在、バーミンガム音楽院の講師としても活躍している。
 瀬山のベートーヴェンは、平衡感覚に優れ、どこまでも正攻法のオーソドックスな、仕上がりに特色があるようだ。全体にサウンドは引き締まり、余計な贅肉のつかないスリムなプロポーションが、古典的な透明度の高さと、一種の格調の高さを実現していたといえる。中でも「田園」の演奏は気合のこもったもので、管弦のバランスのコントロールに、彼ならではの力量が十分に発揮されていた。また第4楽章の嵐の部分では、ティンパニの遠雷の描写が、独特のパースペクティヴを伴なって表現され、丁寧なアプローチが感じ取れた。「コリオラン」も刺激的な要素の少ない、古典的な上品さの漂う演奏で、やや迫力不足と感じられた向きもあろうが、瀬山の狙いは別のところにあったというべきだろう。あくまでも透明で、見通しの良いベートーヴェン像である。
 橋本のクラリネットは、モーツァルトらしい典雅で、洗練を極めた好演だった。普通のA管とは違った少し長めの楽器、ピーター・イートンのインターナショナル・モデルを駆使して、低音域も難なくクリアー、レンジの幅広い表現力を発揮していたといえる。彼女の演奏は全体に、もぎたての果実のように、新鮮で瑞々しい若さ溢れる率直さが魅力で、経験を積むことでの成長が大いに期待される。瀬山指揮の大阪響は、単なる伴奏の域を越えて、ソロを支えて健闘していたことを記しておこう。なお瀬山はこれまで、BBC交響楽団、ウィーン室内管弦楽団、京響、仙台フィルなどに客演し、大阪響とも度々協演、着実に実績を残して来ているので、これからの活躍が期待されるところ大であろう。
(C)出谷 啓
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