大阪交響楽団 2013年度 名曲コンサート 公演批評

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2013年度

 

2013年度 名曲コンサート 公演批評

2013年度 名曲コンサート 公演批評
 
第80回名曲コンサート
第80回 名曲コンサート
第80回 名曲コンサート
第80回 名曲コンサート

≪ザ・グレート≫
2014年2月8日(土)13時30分/17時00分開演
ザ・シンフォニーホール
 
 ウィーン在住の常任指揮者寺岡清高の指揮で、シューベルトの序曲「水力技師になった悪魔」と交響曲第8番「ザ・グレート」、それにベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲という、オーソドックスなドイツ音楽プログラムだった。なお独奏者には1993年生まれで、現在ウィーンの音楽大学に留学中、21歳の若手のホープ郷古廉が起用されていた。なお彼は既にメニューイン国際青少年コンクールや、ティボール・ヴァルガ・コンクールなど、数々のコンクールを制覇している。
 郷古の弾くベートーヴェンは、やや線は細いながら技術的な洗練度は高く、その感性の瑞々しさと繊細さは、むしろこの曲にはふさわしいと感じられた。音楽の造りがこの上なく丁寧で、表現に品の良さと格調の高さがうかがえる。とりわけ第2楽章における、オブリガート的な抒情の流れが素晴らしく、まさしくこのあたり郷古の本領発揮といったところである。また第1楽章のカデンツァには、ブゾーニによるティンパニ伴奏の版を用いるなど、チャレンジ精神旺盛な面も垣間見られた。寺岡指揮の大阪響も、緻密なアンサンブルと抑制のきいたサウンドで、ソロを十分に浮き立たせて、サポートにこれ務めていた。
 寺岡のメイン・プロのシューベルトの「ザ・グレート」は、なかなかにスケールの大きなシンフォニックな表現で、いかにも重厚でダイナミックな、迫力満点の豪快さが魅力だったといえる。かといって決して荒々しい演奏ではなく、中でも第2楽章のオーボエの吹く主題の後、転調の見事な効果も申し分がなく、彼のコントロールの確かさが如実に感じられる快演だったといえる。また3本のトロンボーンを強弱巧みに使い分け、重心の低い力強い低音を引き出していたのにも感心させられた。一筆書きの水墨画を思わせる、男性的なシューベルトを味わったのは、久しぶりだったという感慨が深い。また同じシューベルトの序曲は、滅多に演奏されることのない珍しいレパートリーだが、こちらはむしろ重厚さや、スケールの大きさではなく、一抹のユーモアとウィットを持ってした、ほんの手すさびのような軽快さが魅力の好演だった。大阪響の反応も鋭敏この上ないもので、演奏力の向上を立派に証明していたといえる。(28日・ザ・シンフォニーホール)
 
                                                                                                                          (C)出谷 啓
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